高3になると、いわゆる「東大向けの冠模試」という、東大志望の人が受験すべき模試があります。
具体的には、東大実戦模試(駿台)・東大即応オープン(河合塾)・東大本番レベル模試(東進)を指します。
この中で息子は、駿台の東大実戦模試(以下、東大実戦)と河合塾の東大即応オープン(以下、東大オープン)を2回ずつ、計4回受けました。
時期は、
第1回東大オープン:7月下旬、第1回東大実戦:8月、第2回東大実戦・東大オープン:11月
でした。
それぞれの模試を、本番に合わせ、二日間にわたって受験します。時間割も本番とほぼ同じです。
息子の時は、11月の模試のひとつが台風で延期になり(体調を合わせてきているので、正直時期がずれるのはきついんですけど)、朝、会場まで行って中止を知って、帰宅したこともありました。
それでも、会場が、泊まらないで受験できる場所だったのは有難いです。お住まいの地域によっては、模試の受験でも前泊しないといけない生徒さんもいらっしゃると思うので。
センター試験の時も書いたのですが、これらの記述模試の時はすべて本番に合わせ、ワタシがお弁当を作るのではなく、近くのコンビニで適当なものを買ってお昼ご飯にしていました。
今回はその結果について考察します。
(画像多めです、重くてごめんなさい)
東大の冠模試の結果
さて、4回受けた模試の結果は、
英語 | 数学 | 国語 | 物理 | 化学 | 合計 | 判定 | 順位 | |
第1回東大オープン | 65 | 45 | 48 | 14 | 14 | 186 | B | 901/4268 |
第1回東大実戦 | 61 | 39 | 27 | 20 | 19 | 166 | C | 1433/5075 |
第2回東大オープン | 73 | 67 | 31 | 25 | 22 | 218 | A | 564/4062 |
第2回東大実戦 | 84 | 42 | 36 | 52 | 15 | 229 | A | 344/4754 |
東大前期試験 | 71 | 78 | 52 | 48 | 33 | 282 | —– | —– |
でした。模試の順位は全て第一志望内順位です。
ちなみに理一の冊子掲載・各判定のボーダーは、以下の通りでした。(理一以外の冊子掲載ラインは こちら)
冊子掲載 順位/点数 | A判ボーダー順位・点数 | B判ボーダー順位・点数 | C判 ボーダー順位・点数 | D判 ボーダー順位・点数 | |
第1回東大オープン | 640位 197点 | 640位 197点 | 944位 184点 | 1487位 165点 | 2156位 146点 |
第1回東大実戦 | 254位 222点 | 778位 | 1310位 | 1909位 | 2762位 |
第2回東大オープン | 870位 204点 | 870位 204点 | 1078位 196点 | 1554位 180点 | 2078位 164点 |
第2回東大実戦 | 258位 236点 | 829位 | 1236位 | 1979位 | 2760位 |
※駿台は順位 ー 得点は非公表でした
こちらが成績表です。
東大オープン
【第1回】
【第2回】
東大オープンは全統マーク模試も受けましたので、ドッキング判定が出ています。
素点は、186点から218点に、
二次試験の第一志望内順位は、901位から564位に上がりました。
設問別のレーダーチャートが、問題の解き方の傾向を如実に表していますね。
結局この後、完答にこだわる解き方から、6割にこだわる解き方に変えました。
そしてこちらが東大実戦模試。東大実戦は、判定の出ている、裏面も重要です。
【第1回の表面】
科目別偏差値のレーダーチャートがわかりやすいです。
【第1回裏面】
志望を記入する箇所が4か所あったので、ちゃんと4つ埋めたところ、真ん中は判定なしとでています(本人の思いが反映された志望順位ですね…)。
そして、【第2回の表面】です
この後は、このレーダーチャート参考に、弱い科目(化学)・伸ばしたい科目(物理と英作文)を重点的にやりました。
【第2回裏面】
素点は、166点から229点に、
第一志望内順位は、第一回の1433位から344位に上げました。
こちらは、実際の東大入試開示得点です。
入試では、(前期試験のみの得点が)282点でした。
またこちらは、東大が発表した、合格者の成績データです
この年は、センター試験で理一志望者に満点の方が二人いたり、理系の前期試験が前年より難化するなど、理一受験生にとっては、最後まで合格を確信できない要素が複数ありました。
(ちなみに、理三合格まで、あと10点でした)
(東京大学公式ページより)
点数としては、夏から秋への3か月間の伸びより、秋から本番までの3か月間の伸びの方が大きくなっています。
また、東大合格のカギとなったのが、数学と理科だったこともわかります。
数学は、本番に計算ミスで30点落としたそうですが (本人談)、それでも直前の 解答順を変えるやり方 が功を奏したと思いますし、
理科は、高3の2学期からの対策が得点に現れたと思います。
物理は、このブログで過去にご紹介した 難問題の系統 を8月終わりから本格的に始めたわけですが、この”8月の終わり”とはまさに、第1回東大オープンの結果が返された時ということですね。
(さらっと書いちゃいましたが、当時はかなり焦っていました)
しつこいようですが、この問題集は難しいので、ここまでに基礎問題集と重要問題集が仕上がっていないといけません。
英語と化学は駿台のおかげです。学校の問題集以外に問題集を買っていないので。
駿台の授業というのは、高2までにカリキュラムを終え、高3は演習になりますが、一回3時間の授業のうち、1時間はテスト、1時間は解説、残りの1時間が補足、という内容になっているのだそうです。
英語は3年間、大学受験を意識した英語をまんべんなく教えていただきました。
化学は高3の一年間しか受講しなかったのですが、そんなに得意というわけでもなかったのに、センターも満点でしたし、東大前期試験でもそこそこの点数がとれるよう、きちんと力を伸ばしてくれる授業内容だったのだと思います。
(冬休みに集中的に理科の勉強をした時も、化学は駿台のテキストを勉強していました)
この4回の冠模試の総合点と判定に関してですが、、、
正直、第1回でどのくらいとれるかは、本人もワタシも予想できていませんでした。東大の過去問もほとんどやっていない状態でしたし。
数学で何点取るかな、と(ちょっと期待しながら)思っていましたが、
理科は下手をすれば10点以下かもしれないし、
総合で150点とれればいい方だろうと思っていました。
そういう意味で、第一回の二つの模試での、順位が1,000番前後・判定がBとCという結果は、なんとか望みがつながったという感じでした。
高2までとは判定も順位も全然違う
とはいえ、とはいえです。第1回の結果を見て、現実の高3の受験事情は本当に厳しいな~とも思っていました。
その大きな理由が、息子が高1から受けてきた駿台模試の判定とのギャップです。
駿台生はなるべく受験するように勧められたのと、すべての試験が無料で受けられるということもあり、「駿台全国模試」は高1秋から高3秋まで受験しました。
2年生までに受けてきたその全ての駿台全国模試で、東大理一の判定がAだったからです。
もちろん母数も最高で50,000人程度の模試です。特に、高3の駿台模試は医学部を目指す受験生のよりどころの一つであり、また定評のある模試ですから。
その中でも大きな目標の一つとしてきたのが、高2の冬に受験する「高2駿台東大レベル模試」でした。
(現在は、第3回高2駿台全国模試 と名称が変更されています)
これは問題の難易度も上がって、かつ、上位校も他の模試より受験していると思われるのですが、これも(割と上位で)A判定だったので、
もしかしたら、いい感じかも…
と、高3春はちょっと思っちゃったんですね、、、ワタシが。
高2の第3回模試の結果が返却されるのが高2の3月。
第1回の東大オープン・東大実戦が返却されるのが高3の8月下旬~9月。
もし、息子が第一子で、ワタシに過去の経験がなかったら、ここの半年間をもっと木の上の方まで登っちゃって、気が緩んでいたかもしれません(娘は医学部志望でしたが、力試しでこれらの東大冠模試を何度か受験しました)。
でも、現実の東大冠模試も東大受験も甘くなかったです。
*ちなみに、高3駿台全国模試の東大理一判定も第一回~第三回まですべてAでした。つまり、東大受験生の息子にとっては、高3駿台全国模試の判定もあてになりませんでした。
ちなみに、一浪で東大に合格された息子のお友達は、全員第一回の二つの模試で冊子に載るA判定だったそうです(東大オープンはA判の人が全員冊子掲載されますが、東大実戦はA判上位者だけが冊子掲載)。
現役生は、こんな高卒生と戦わなければいけないのですから、今思えば当時は本当に知らぬが仏状態でした…
我が子の先輩で、筑駒・開成(二人とも鉄緑会)→東大理一・東大理二の方がいらっしゃるのですが、どちらも現役合格、第一回模試でA判が出たので、もう大丈夫だろうと思った、と話されていました。
さすが、筑駒生・開成生だし、さすが鉄緑会。
鉄緑会は、その辺のノウハウをすごく持っているんだろうなぁ。
それはさておき、知らぬが仏の我が家チーム。たぶん、この第1回の成績を受けて、息子も秋から頑張れたのだと思います。
ただご覧になっておわかりのように、第2回の東大実戦・東大オープンの両方で同じように得点しているのは(高3で特別に時間をとっていない)英語と国語だけで、キーとなる数学と理科に関してはラッキーな科目があったことで得点できたような内容。
夏から秋にかけて「成績が伸びた」とは一概に言えませんし、東大の問題をすらすら解けるような完成度もありませんでした。
そんなわけで、課題はいろいろありました。
それが、12月や冬休みの勉強内容につながったわけですね。
内容はともかく、第二回冠模試では、両方で、A判がでた!得点も200点を超えた!
何ひとつ確かなよりどころのない状態のあの時、前に進む大いなる原動力になったのは事実です。
とにかく、体調を崩さないように、
インフルエンザの予防接種を受けよう、風邪をひかないように、食生活きちんと。
いつも通りに接する。
いつも通りに。
そんな時期でした。
今回もお読みくださりありがとうございました。
娘の成長の記録は、時計どおりに綴っています。どうぞ いちひめ もご覧ください。
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