言わなきゃ伝わらない、言ったつもりでも伝わってない | feel my force

言わなきゃ伝わらない、言ったつもりでも伝わってない

にたろう

息子が中3生だった、ある土曜日のことです。

その日は家族4人でお昼に外出をしようということになりましたが、

午前中、息子だけ学校の用事で(学校とは違う場所に)行く必要があったので、

夫・ワタシ・娘の3人で午前中に別の用事を済ませ、息子のいる場所の駐車場で待ち合わせをすることにしました。

 

「用事が終わったら、携帯電話に連絡してね。私たちも外出するけど、連絡がきたら待ち合わせ場所に移動するから。」と伝え、

当時、中学生の息子だけ個人の携帯電話を持っていませんでしたので、非常用に持っていた「電話だけできるプリペイドの携帯電話」を持たせて、朝、息子を送り出しました。

 

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いつまで経っても連絡がない

息子を送り出した後、ワタシ達家族3人も出発しまして、別の用事をすませました。

その時点で、まだ12時にはなっていませんでしたが、息子の用事は遅くともお昼までと聞いていたので、

息子からの「終わった連絡」は来ていなかったものの、ワタシ達は先に待ち合わせ場所に行って、車の中で息子を待つことにしました。

 

待っていると、建物から中学生がでてきました。

「あ、〇〇くんだ」。

 

その日一緒に参加するお友だちが帰っていくのがちらっと見えたので、終わったんだね、息子からも連絡が来るかな…

と、話しながら連絡を待っていたのですが、

 

息子からの連絡はありません。

 

「終わってから何か別の話してるのかな?」

  

午後1時をすぎ、さすがにおかしいと、家族の中でも焦燥感が拡がります。

「電話、してみようか」

 

電話にも出ません。

 

「会場の中を見てこよう」

 

もっとちゃんと場所とか内容とかを詳しく息子から訊いておけばよかったんですけど、、、広い会場で、

どこにいけばいいの?

 

一つ一つの会議室に入ってみるわけにもいかず、でも、雰囲気で人がいるかどうかくらいは廊下からでもわかるので、さくっと調べたのですが、、、

 

息子たちがいる気配がありません。

 

こんな地方で、こんな平和な街で、事件が起こるはずもない、じゃあ事故か?

でも、ここにいても、さっき帰っていったお友だちの連絡先さえわからないので、

 

とにかく、一度家に帰ろうっっ 

青ざめ、のち…

家族3人かなり青ざめて家に戻ったところ…

なんと息子は家に帰っていました。

安心!良かった!ですませばいいのに

 

はーーーーーーっ?どういうこと?

 

ワタシも、夫も、娘も、無事を喜ぶ前に、息子に対してキレてしまいました。

「終わったら連絡する約束だったのにどうして連絡してこなかったのっ?????」

 

息子の言い分はこうです。

 

  • 朝ばたばたしていて、家族との約束をちゃんとインプットできていなかった(連絡はしてもしなくてもいいと思っていた)
  • 用事が終わった後、友だち数人で一緒に帰ることになり、駐車場とは別の出口から出て帰宅した
  • 無事に帰宅できたので、家族はいなかったけれど、家で待っていればいいと思っていた
  • 電話は緊急用なので、帰宅してからはいつもの場所に戻しておいた(電源オフ)

 

まとめるとこの4行に集約される程度のことなんですが、

残りの家族3人は、心配した分、怒りの声のトーンが上がります。

3人から同じことを3重に言われている当の息子は…といいますと

小さいときから泣き虫ですし、親の顔色もよく見るタイプの子でしたので、そろそろ泣くかな…と思っていたんですけど、

泣くってことは、事態の重大さを認識し、反省しようとする表れでもあるので…

一向に、涙一つぽろっともきません。

 

それどころか、どうしてそこまで叱られるのかわからない、を繰り返してきます。

 

しかも、めちゃくちゃ冷静です。

感情の「か」の字にも触れていない様子。

 

ここまでが2時間ですよ。

ん?何が伝わってなくて、こんなに話が平行線なの?

 

さすがにこちらも落ち着きを取り戻し、息子の(上の)4行分をようやく理解し、

次は、

どうして、息子がワタシ達の怒りの原因を理解してくれていないんだろうという、

その時点の彼の心と向き合う時間が始まりました。

 

心配されているということ

そこからさらに1時間。

ここも結論から言っちゃいますと、

     

息子としては、自分は安全に帰宅したんだからいいじゃないという思いはあっても

それを家族に連絡しなかったことで、

家族にそこまで心配をかけたということに気づかなかったのだそうです。

約束が正しくインプットされていなかったことについては、

ワタシが伝えたつもりでも、伝わっていなかったのですから、ワタシにも否があります。

その上で、

 

家族がそこまで自分のことを心配しているとは、露ほども思わなかった。今話し合って、やっとわかった、とのこと。

   

息子「心配をかけたから、叱られたってことね。わかりました。これからは注意します。」

 

息子「そこまで心配されてるって、全然思ってなかった。。」

えーーー?そこまで心配してるよ。あなたがこの世に生を受けたときから。そんなの親として当然だよ。

 

「今日も元気に過ごそう」「いってらっしゃい」「楽しくてよかったね」「おかえりなさい」「無事で何より」「大好きだよ」…

普通に、たくさんたくさん、いい言葉をかけてきたつもりでしたが、

確かに「あなたのことをいつも心配していますよ」

とは、言ってなかったなぁ…

   

でもね、言ってないけど、心配は、めちゃくちゃしてますよ、常に。

  

我が家の中3男子、大きくなってきたようで、まだまだだ。

 

ちなみに、娘は息子とは全然違うタイプで、「今どうしてる・どう思ってる」を小学生のときから自分から伝えてきていましたので、なんとなく、息子も同じように考えてしまっていました。 

娘と息子、同じように育てるつもりでも、同じ言葉かけじゃだめだったね。

 

これからは、相手に合わせてもっと正確に言葉を伝えよう。

「いい言葉」をもっとたくさん使って、コミュニケーションをとろう。

  

親としては、

我が子だから伝わっているはず、

まだ小さいから伝えなくもいいかな、

そろそろ変えなきゃいけないな、と思った出来事でした。

でも話し合えてよかった

あのとき、

ワタクシたち3人があんなにキレて息子に言葉を放ったのに、

それを少なくとも2時間。

ともすれば泣かせにかかっていたのに、

息子はひとり冷静で、自分の理解と家族の言い分との差を見つけようと努力し、

対応してくれました。

     

わからないことにはわからないといい

わかったことにはわかったといい、

こちらの言っている言葉を丁寧に聴いてくれました。

 

そして、最後は、親の気持ちの方に寄り添ってくれました。

    

意見の相違はある。コミュニケーション不足もある。それはお互いさまでした。

でも、あの場であの冷静な対応を、誰の助けもない中で息子一人でしたことには、心底驚きました。

 

我が家の中3男子、確実に、家族4人の中で、一番冷静な人に育っていました。

逆の立場になったとき、ワタシには同じことができる自信が今でもありません。

 

このことを経て、ワタシは息子に対しての子ども扱いを少しずつ卒業していきました。

難しい年ごろになったのは、本人の問題だけじゃなくて、親の対応を変えていかなきゃいけないからなんだ。

そういえば、あんなに泣き虫だった息子が、いつのまにか全然泣かない子になっていた、、、あれはいつからだったんだろう?

その変化に気づかない子育てをしてしまいました。

ちょっと残念。

お互いの居場所を知らせる

そんなこともあり、その後の我が家は家族全員がiphoneになったのを機に、family登録をしてお互いの居場所がわかるようにしました。

個人のプライバシーは??って思われるご家庭もあるでしょう。

ご家族それぞれの考え方なので、いろいろあっていいんですけど、

我が家は、

親が子にスマホを持たせる以上、親が子の居場所を把握できるようにしておくのは当たり前

という考え方でしたので。

androidでも、Googleのロケーション履歴が似たような機能です。

 

そして子どもたちが成人した後、そろそろグループから抜けたいって言いだすのかな…と思いきや、

家族で待ち合わせをするのに、居場所がわからないといざというときに不便だ、

と、子どもたちの方から言われました。

   

確かに今の時代、個人のプライバシーとかいいながら、GoogleやAppleは、人の居場所・住まい・職場・行った場所・指紋・顔…などありとあらゆる情報を集めています。

街は防犯カメラだらけで、誰がどう移動したかも調べられたら全部わかる時代です。

”他人様”に筒抜けなんですから、

やっぱり、家族同士はいざというときのために、お互いの居場所くらい把握できるようにしておこうよ、ということになりました。

 

あのときの凍るような思いと、現代の思わぬ便利な機能のおかげで、子どもたちが大きくなっても、家族の在り方を深めてくれているような気がします。

   

想像力が全然足りなくて、いろいろ体験して初めて次の行動を決める子育てをなんとかやっている毎日。

前に進んでも、後ろに戻っても、どっちも大変な時期が続いていました。

    

 

娘の成長の記録は、時計通りに綴っています。どうぞ いちひめ もご覧ください。

 

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