すごいネーミングですね。
全国統一って…
これは東進(四谷大塚)が主催しているテストです。
が、
実は、我が子たちが高校3年生にさんざん受験させられた模試に
全統マーク模試(2020年2月からは全統共通テスト模試)・全統記述模試というのがありまして…
(→こちら)
こちらの模試の正式名称は「全国統一模擬試験」で、
河合塾が主催している、2019年度の年間受験者数は延べ299万人余りというおばけ模試です(英検やTOEICより多い年もあるそう)。
特に全統共通テスト模試の方は、大学入試共通テストを受験する約6割の受験生が受けるといわれている文字通り「全国統一的な」模試です。
2017年の高3の8月の全統マーク模試の受験者数が40万人超、翌年のセンター試験受験者数は58万人でした。
センターリサーチという本番の点数を河合塾に出して判定してもらう仕組みがあるのですが、そこに出した人数が44万人でしたから、6割といっても精度は実質9割越え?
さすがにこの規模になると、大学受験生にとっては絶対外せません。
それに対して、
東進さんのテストが全国統一と冠するのって、ん?ですし
受験者数も精度も、「全国統一」かどうかは甚だ怪しい。。。
全国統一小学生テストを受験された方によると、2020年の受験者は
小学1年生は1万人、小学2年生は1万5千人、小学3年生~4年生は2万人でした。
この先は
全国統一中学生テストがあり、
さらに
全国統一高校生テストがあり、
しかも受験はすべて無料です。
このテスト、娘が小学生の時に始まりまして、我が家的にはどちらかというと、このテストが少しずつ定着し始めた息子の方がお世話になったのですが、、、
結構よかったです。
何がよかったかというと、試験問題そのものが。
さんざん「全国統一」のネーミングに物申してごめんなさい
全国統一小学生テストとは
全国統一小学生テストは、
四谷大塚という、首都圏の中学受験専門の塾がはじめた無料のテストで、
年長~小学校6年生までを対象に学年別に受験できる模擬試験です。以下、簡単に特徴をまとめますと
- 実施は春と秋の2回
- 出題は、3年まで算数と国語、4年から4教科。3年生以上はマークシート
- 難易度としては、平均点が、年長:80%、小1:70%、小2~3:60%、小4~6:55%になるように作問されている
- テスト返却は、実施の約10日後
- 試験結果資料では、全国順位・都道府県別順位・偏差値・領域別成績・テスト結果分析などがわかる。小6は志望校判定がでる
- 試験会場は、全国の四谷大塚関連の教室
- 上位30名は決勝大会へ(小3以上)。東京で実施、成績優秀者にはIPadプレゼント
けっこうCMであおられるので、ウチは小学生からそんなの受けさせないわ、って思っていても、気になってしまいます。
ウチですか?
ウチは何といっても地方民ですから、こういう試験はありがたい存在でした。
ともすれば我が子たちは、家・学校・習いごとのせまーいコミュニティで世界がつくられていて、井の中の蛙ちゃんでしたし、
しかも、
大学合格までは、ず~っと「全国順位」だの「偏差値」だのに縛られることが目に見えていたので(実際、がっつり縛られました)、
こういうことに慣れておくことは重要だと考えていました。
全国統一小学生テストの精度
精度、なんて言葉を使うと真上から目線みたいで、本当にごめんなさいなんですけど、
受験者数の少なさからも、正直、全国順位や偏差値はおまけみたいなもので、あまりあてになりません。
都道府県別順位の方がまだ現実味があります。
もちろん順位も偏差値もいいとうれしいですが、テストの出来不出来は日ごろから対策しているかどうかの差であって、地頭の差はこのテストでは測れません。
ただ、
小学生でこのような外部試験を受ける層といえば、
- 大都市のガチ中学受験を考えている層
- まだわからないけど、中学受験もありかなと考えている勉強熱心なお宅の層
- 勉強は学校のみ、CMで気になった・友だちに誘われた層
なので、問題内容もこの層すべての人が満足できるよう作問されていなければなりません。
例えば、
小2~3年生向けのテストを平均点60点目標で作問してある試験というのは、
1問は難しすぎて解けない、別の1問は部分点しか取れないのがあって、さらに、制限時間と基本問題の量で調整してあるとすれば、
中学受験ガチ層と戦えて、かつ、我が子の学力が測りやすい内容になっていると考えられます。
もちろん学校のテストには難問は入っていませんので、我が子にとっては貴重な機会でした。
小3から決勝大会があるというのはなかなかシビアですね。一番難しい問題が解ける子しか決勝大会には進めないでしょうから、小さいときからこの対策をするならそれなりの準備が必要です。
小3で初めて娘が受けたとき、最後の問題が難しくて、
これがすらすら解けるようになるのが中学受験をする層の目標なのかー、と思ったことを覚えています。
注:一番最後の問題が一番難しいとは限りません
全国統一小学生テストの対策
では、このテストを受けるにあたりどんな対策をすればいいの?ってことですが、
四谷大塚では、希望者向けに試験実施前に「対策授業」を準備しています。
さらに試験実施後に「見直し勉強指導」もあります。
これが一連の無料体験レッスンになっているってことですね。
しかも、この無料テストを受験することで個人情報が収集され、逆に受験者の方は四谷大塚や東進の情報をもらえるということか…。
我が子たちのときは、
小3向けのジュニア予習シリーズ、小4以上では予習シリーズ
で勉強させました。
小2までなら、はなまるリトルでいいと思います。算数は最レベや最レベ相当をやっておくとなおいいです。
どれもネットで購入できます
と書きつつ…平均点7割以上の問題はおそらく簡単なので、小1までは
受けなくてもいいと思います。
(こういうのに一喜一憂するのもね…)
全国統一小学生テストのメリットとデメリット
デメリット
先にデメリットからいっちゃいましょう。
- 無料
- 結果についていろいろ噂される
「無料」は本当に注意しないと…しかも、子ども主役の無料って、きちんと大人がバックにいて吟味しないといけません。
なにをそんなに注意するかといいますと、
成績が出て、家庭内で一喜一憂するだけならまだいいんですけど、
同じ学校や地域の受けた友達どうしで、結果についての感想トークがついてまわることがあるからです。
もう少し具体的に書いちゃうと、
この類の試験を受けに行ってお友達がいるとほっとしますよね、こっちはメリットなんですけど、
ただ、学校であれほど学業成績について子どもどうしで意識させないような指導をしているのに、
○○ちゃんは、◇◇番だったんだって
☆☆ちゃんは、勉強を教えてくれるお父さんがすごく怖いんだって
などなど、こういうテストで限定的に序列をつけられて、子どもどうしがそれで友達を判断したり、それに付随する噂をされたりすることがあるからです。
これが、子どもどうしはもちろん親にも伝わりますから…
この程度で友だち関係やママ友関係が微妙になることはありませんが…
いい噂もそうでない噂も…全部込みのテスト受験だと思っておいた方がいいです。
メリット
メリットはたくさんあります。
- 「試験を受けること」そのものを体験できる
- 普段の家庭学習の成果を測ることができる
- 「大海」を知ることができる
- 良問に触れられる
地方に住んでいると「大海」を体感できるチャンスはごくわずか。首都圏の小学生がどんなトレーニングしているかが手に取るようにわかるので、大変参考になりましたし、
特に我が家は予習シリーズで勉強していたので、家庭学習の延長線上にこのテストがあり、中学受験をしなくていい代わりに、こういう経験をさせておきたいとも思っていました。
また、学校以外の会場で試験を受けてくる、知らない子に囲まれて試験を受ける雰囲気もなかなか味わえないのでよかったです。
いいことの方が多いですね
ちなみに、全国統一中学生テストは…我が家は受けなかったので全くわかりません。
日程的に受けられなかっただけですが、実際、
中高一貫生と高校受験ありの中学生とは勉強のスピードが違うので、精度的にどうなのかな…
と思って受験者数を調べてみたところ、
2020年6月の中学2年生の受験者数は5900人だったようです。
やっぱりぐんと減るのね…
全国統一高校生テストは息子のときに受けさせようと画策したのですが、都合がつかず結局受けていません(→こちら)。
IPad狙いで受験する難関高校生のためのテストになっている感じです。
結局このテストを受ける余裕があったのは小学生のときだけでした。
テストの結果に振り回されないこと
東進の上手いところは、小学生にも決勝大会を設けているところだと思います。
各学年の上位30人が決勝大会に進めます(2021年現在)。
小学生時点で、あなたのお子さんは超優秀です!と褒められたら、親もうれしいです、たぶん、きっと。
親だって褒められたい…
だからこそ親は、この類のテストの結果に振り回されないようにしないといけません。
人生、全国統一小学生テストの決勝大会に進むことがすべてではないし、
もしお子さんが決勝大会に進んだなら、それを継続するくらいの気持ちは必要です。
じゃないと、あの頃はよかったのに…になってしまうので
大学受験まで右肩上がりで伸びていくのが理想なので、
どうか小学生のときに息切れしないようにしてあげてくださいね。
そのレベルを視野に入れつつ、同時にその勉強だけにならないようにすることが大事なのであって、
本を読んだり、街の科学館に行ったり、学校の宿題をきちんとやったり、習いごとを頑張ったり、、、も大切ですので。
本当に、中学~高校に上がると
家庭では、勉強以外のことをやる時間がだんだんなくなっていった
んです。
年に一度の家族旅行さえ日程調整が難しくなっていきます
そして、小学生のときしかできないことをやっておかないと、
子ども向けの良質なコンテンツに触れる機会を一生失ってしまう
からです。
地方在住民に熾烈な中学受験はありません。だからこそ、こういうテストを受けつつ、地方で育つゆったり感をメリットにすればいいと思います。
って思うしかないですよね~。
ということで、皆さまのお子さまにとって、
全国統一小学生テストも、子ども時代を楽しむ要素のひとつになりますように。
今回もお読みくださり、どうもありがとうございました。
息子の成長の記録は、時計の逆回転で綴っています。どうぞ にたろう もご覧ください。
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