前回の記事では、
小学校低学年のうちから読書をたくさんしたことが、我が子の国語力、ひいては、算数・数学力につながった
ことについて触れました。
今回は、小学校低学年の算数の勉強について。
まずは学校の算数
学校の算数の勉強の補助として家でやったことが、
や
などでした。
国立大学附属小学校の授業は、
良くも悪くも、教科書を使わないことが多い
です。それはつまり、考える内容が多く、
計算力をつけるのは、ドリルの宿題にお任せでした。
でも、計算はすべての基本となるので、家でも絶対外せません。
また、応用力としての文章題も必要でして、これも家庭で補強するのが手っ取り早いです。
脳トレみたいなのをやらせたい。
ということで、これらと同時にやらせたのが、
宮本哲也氏監修の 賢くなるパズル でした。
当時は、ドリル形式の紙媒体しかなかったので、
一冊だけ買ってきてやらせて、
終わったら次の一冊を買って、やらせて
の繰り返しですね。
難しくなると、縦横のマスが多くなったり計算が複雑になって子どもが飽きてしまうので、
全部やったわけではなく、子どもが面白がってやる程度の難易度まで。
こちらのパズル、今はアプリにもなっていて、
Calcudoku (日本語版) KenKen Classic (英語版)
として出ています。
こちらのサイトでも”遊べ”ます
この教材には、二人とも一時期はまりまして、ほとぼりが冷めるまで、しばらくお世話になりました。
当時、百マス計算もめちゃくちゃ流行っていたのですが、子どもたちがあまりなびかなかったので、やらせていません。でも、これも良い教材だと思います。
このように、算数については、とにかく毎日、宿題の本読みと書き取りが終わったら、必ず何かしらやるようにしていました。
宮本算数教室から学んだこと
賢くなるパズルを使ったのは、内容が面白かったことと同時に、宮本哲也氏の教育スタンスに共感を得た部分もありまして…
算数・数学は、ワタクシ自身の教員免許の科目でもあり、内容を教えること自体はできる自信があったのですが、
子どもの発達とからめて…となると、全くの素人だったワタクシに、当時、その指針を与えてくれたのが宮本算数教室の教え方の極意でした。
賢くなるパズルの著者、宮本哲也氏は、2000年前後ごろから、中学受験専門塾で算数を教える塾の主宰者として有名になりました。
入塾は無試験先着順にもかかわらず、最終塾生の8割が難関中に合格するという個人塾。
宮本算数教室に関する当時のワタシのメモに、こんなことが書いてありました。
面白いのは、その指導方法。彼はW大卒業後塾講師のプロとして歩んできて、いろんな失敗もした。
1.頭ごなしに徹底的に叩き込む指導・・・短期間で成績は飛躍的に伸びるが、子ども自身に考える力をつけさせることはできなかった。
2.懇切丁寧な指導・・・授業の前後の補講、無制限な質問の受け付けで、成績は伸びた。親や生徒からの信頼も得ることはできたが、授業中の集中度が私も生徒も低下した。
3.指導なき指導(The art of teaching without teaching)・・・宿題は出さず、質問も一切受け付けない。そのクラスで一番できる子が飽きないペースで授業を進めるので、落ちこぼれる子がたくさん出るが、フォローはしないし、親の泣き言も聞き流し。授業に緊張感が生まれ、子どもが自発的に問題に取り組むようになった。
3番目の指導方法に行き着いたとき、「この指導が一番いいけれど、組織向きではない。一人でやるしかない。」と感じ、2週間後「ダメ元で自分の教室でも開くか。」ということになった。
ここで、見落としてはいけないのは、最初の20人がずっと卒業までいるわけではなく、ついていけない子はどんどん辞めていくということ。そして、強い者だけが残り、受験に勝つというしくみ。だからこそ”何も教えない”でもやっていける。親は、自分の子がついていけないからといって文句言ってもダメ。
そんな宮本氏が力説する強育論は…
子どもが正しく成長するのに必要な3つの要素は睡眠、食事、運動で、学習は4番目。
学習をして伸びるために必要な必要な3つの要素は、緊張感の高い空気、適した問題、手ごわいライバルである。
「学習は本能ですから前の3つがちゃんと満たされれば勝手に学習します。難しいことではありません。赤ちゃんを見習えばいいんです。毎日、必死に成長しようと努力をしていますね。「立て!」と言われなくても一生懸命、立とうとしますよね。それが学習の原点です。自分の意志で、興味を持って問題に取り組まないと学力は身につきません。場当たり的な詰め込みで成績を上げても入試には通用しません。」
え⁉学習(勉強)って本能なの⁉
て、当時思いました。
ワタシ自身、高校生くらいから勉強することは苦痛でしたし、周囲の友達も受験勉強を苦しそうにしていたように見えたので、みんなそうなのかと思っていました…
面白いと思えばやる。
つまり、
面白いと思わせる、興味を持ったことををやらせることに重点をおく
を徹底させることなのだと解釈し、
いろいろな教材や経験をさせつつ、子どもたちが興味のあることをさせるように、
そして、生活の基本となる学校生活を楽しく送れるようサポートしました。
放っておいても勉強をする、とか、大好きで大好きでたまらないスポーツ、とか、当時の我が子たちには
全くなかったなぁ。。。
いつか?そういう時が来る?
いつかって、いつ?
そんな時、一生来ないかも。。。
先の見えない、でも、立ち止まらないで、やるしかない毎日を過ごしていました。
それがですね、
”大好きで大好きでたまらないスポーツ”は未だにないものの、
なんと、”放っておいても楽しそうに勉強をする”時代が、後にやってきました。
びっくり‼
放っておいても勉強を楽しそうにやり始めた
二人が子どもの時は、こんな時代がくるなんて思ってもいなかったのですが、本当にやってきました!
放っておいても楽しそうに勉強する時代が!
娘は、現在国立大学医学部医学科の6年生でして、
まずは、大学入学後。
ワタシが娘に勉強しなさいとは、もう言いませんし、自分でやるようになりました。
そして、
なんと、今年、
大学6年生になってめちゃくちゃ楽しそうに勉強するようになりました。
やっと、です!
医学部の勉強事情は、基本的にすべて必修単位で、一つでも落としたら卒業できません。また、単位も多く、6年間で実習の時以外は常に授業→試験を繰り返していました(こちら)
が、
娘は、広く浅く学ぶタイプ。特に大学に入ってからは、深く掘り下げるより、実務をきっちりと正確にこなす方が合っていると気づいたようで、
4年生までの座学の試験はやらされてる感Maxの顔つきだったんです。
それが、4年生後半~6年生前半の実習を経てからの、
6年生の約半年にわたる各科の卒業試験の勉強は、めちゃくちゃ楽しそう。
気がついたらいつも勉強していました。
「わかるようになってきたから、面白い。面白いからはかどる。」と言っていました。
とうとうやってきました!
現在は、国家試験に向けてラストスパート勉強中の娘です。
一方の息子は、中学3年の後半、高校受験の勉強を始めたころから何も言わなくても勉強するようになり、
高校入学以降は、「勉強は楽しい、時間があれば全科目やりたいけれど、夜は眠いから、やりたい科目から順番にやる」と言っていました。
実際、夜はしっかり8時間寝ていて、休日はお昼寝も普通に3時間以上していました(こちら)。
こんなに寝てたら、そりゃあ勉強時間は足りないよね…って感じでしたが、、、
勉強自体は、数学と理科を中心にとにかく楽しく学んでいて、かつそれが成績と直結していたので、勉強しない社会や国語の分をカバーしていました。
東大に入ってからは、寝る間も惜しんで授業の予習をしたり、レポートを書いたりしていまして、
あきらかに、高校時代より勉強しています。
きつい、きつい、を連発するので、苦しいのかと思いきや、
学年が上がるにつれ興味のある授業だけになっていって、
楽しい
のだそう。
よくわからないけど、よかったね!
暇さえあれば、常に寝ていた子が、、、こんなに寝ない子になっちゃった⁉
徹夜もよくしているもよう、、ちょっと心配ですけど…
楽しいと思えることをやれるのは幸せなこと。
親としてもありがたいことです。
子どもたちが小学生の頃、ワタシの”あれをやりなさい、これをやりなさい”に、よく付き合ってくれたなって思います。
ありがとね。
勉強の取り組み方も、進んだ方向も違う二人ですが、これからもこの努力を続けていってほしいと思います。
今回もお読みくださり、ありがとうございました!
息子の成長の記録は、時計の逆回転で綴っています。どうぞ にたろう もご覧ください。
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