このブログを書き始めた当初より、うっすらと思っていたことがありまして
でもそれは、あまり自信がなかったので今回まで書けないでいたのですが
子どもって、ぐんっと目に見えて伸びるときがありますよね。
この漠然とした思いが、やっぱりそうだよね、という確信に変わってきたのは、何人かの方から同じお話を伺ったからです。
英語の先生から
親しくさせていただいたワタクシと同年代の先生は、高校の英語教師を経て、現在は個人で英語の専門塾を開き、幅広い層に英語を教えていらっしゃいまして
教える中心は大学受験・高校受験をめざす生徒さんですが、幼児~大人まで、下は3歳から大人は現役バリバリのサラリーマンさんまで、それぞれの生徒さんのニーズを満たす教室をされています。
この先生によると
子どもは必ず伸びるときがある
そのうち、目に見えるほどの大きな伸びが18歳までに2回くらいはある
のだそうです。
そしてそれは、お子さんの反応や、目の輝きなどで明らかにわかるのだそうです。
この先生はあくまでも英語を週1~2回教えている短時間での接点だけでそれに気づくのだそうです。
プロ…
う~ん、うちの子は…う~ん…
息子はたぶん、少なくとも中学生時代に一度あったと思うのですが、娘は…う~ん。。。。
親と子では、距離が近すぎるからかな?
部活の先生から
娘は、漫画「ちはやふる」で有名な競技かるたをやっていたことがあります。
なかなか強くなれなくて
強くなれない理由は、いろいろあったと思うのですが…
そのときにお世話になった先生に
強くなる過程は決して右肩上がりの線のようではなく、我慢して続けていれば、階段を上がるように、ある日突然強くなりますよ
と言われたことがあります。
おそらく、その先生はそうやって競技かるたが強くなっていくお子さんをたくさん見てこられたのでしょう。
でも娘は、目に見えて上手くなる瞬間がないまま時間切れになってしまいました。
先生の言われることは、一部のお子さんにしか通用しないのか、それとも娘の努力が足りないのか…
う~ん、階段を上がるように目に見えて伸びる人、うらやましい~。
藤井聡太さんの言葉
今回もまた、有名人の方の話を持ち出す展開ですが、藤井聡太さんの今年のインタビューで確信したんです。
やっぱり、伸びるときはある(あった)んだということに。
そのインタビューは、2021年5月、藤井聡太さんに、池上彰さんが様々な質問をする形式で行われていまして、毎日新聞が連載している「池上彰のこれ聞いていいですか」という企画の一つでした。
(こちらの動画です)
ちょっとだけご紹介させていただきます。

その前に、はすちゃんが独自の感想を言ってます
全体的に、池上彰さんの質問の仕方はぞんざいで、それが特徴なのかもしれませんが
その分、藤井聡太さんのきちんと答える態度が、際立って美しく見えました。
インタビューの中で、藤井聡太さんは、将棋の面白さや奥深さ・長い対局時間(対局によっては、終局が日付を超えることもある)の中での集中力・体力・気力の持ち方などについて語っていらっしゃいました。
中でも、
てっきり高校は卒業するんだと思っていたが、どうして高校を中退したんですか?
の質問について、藤井聡太さんはこのように答えていました。
「高校を入学したのは将棋以外のことも学ぶためであるが、棋士としてどういう状況になるかわからなかったので、入学当初より必ずしも卒業をめざして入ったというより、その状況に応じて考えてみようと思いました。」
池上さん、この質問を言葉を変えて二度尋ねていて
藤井聡太さんは真摯な態度で、言葉を変えて同じ内容を二度答えていました。
池上さん、ちゃんと一回で理解しようよ。

はすちゃんはすちゃん、その辺にしようか

あ、はい。止まらなくなるところだった…
それでですね、
高校を辞めた理由として、今こそ将棋が強くなる時だと感じていたからであるという思いが明確にあったどうか
という質問に対しての藤井聡太さんの返事は
「囲碁の世界だと、トップの棋士は10代後半~20代前半の人が多く、同様にこの期間が自分にとっても重要だと認識しました。」
でした。
この答えをきいて、ワタシは、はっとしました。
彼は、将棋道を極める上で、今が伸びる時期であることをはっきりと自覚しているのです。
なんとなく”自分は今伸びてるな~”ではなく、自分の技量の伸びを正確に自覚し、さらに伸びるべくとった対策が高校退学でした。
その覚悟はすごいし、素晴らしい
伸びている人ってこういう考え方をするんだなぁ、という興味深い動画がもうひとつありまして、2019.12.8に名古屋市内で行われたイベント「将棋プレミアムフェス in 名古屋2019」でのことです。
もし、将棋の神様にお願いすることができるとしたら
という質問に、
「考えたこともなかったけれど、もし将棋の神様がいらしたなら、一局お手合わせを願いたい」
と答えていらっしゃいました(こちらの動画 7分ごろから)
これが伸び盛りの人の考え方なのか…
そして、当時17歳とは思えない美しい言葉。。。
現在進行形で伸びている自覚を本人もご両親も感じて今後の行動を決められるなんて、なんとうらやましいこと。。。
藤井聡太さんが小学生の時に負けてぎゃん泣きしたエピソードは有名ですが、当時すでに強かった藤井さんに勝ったのが、同い年の伊藤匠さんです。
その頃は伊藤匠さんの方が有名で、主催者の一人としてお手伝いをしていた棋士の高野秀行さんによると、”なにあの子泣いてるの?相手は伊藤匠だよ、勝てるわけないでしょ”と思ったが、その後の三位決定戦で藤井さんが気持ちを切り替えて見事な勝ち方をしてびっくりしたとか…
伊藤匠さんは、藤井聡太さんがプロになって4年後の2020年にプロになられましたが、プロになる前の高校1年生のときに、やはり高校を中退しています。
伊藤匠さんもまた「年齢を重ねれば重ねるほど棋士になってからの期待値が落ちていく」と思っていたそう。
https://hochi.news/articles/20201023-OHT1T50192.html より
(かわいい動画をみつけたので、おまけです)↓↓
藤井さんをぎゃん泣きさせた頃の伊藤匠さん(小学校4年生)が出演した番組(こちら NHK for school カラフル のサイト)
我が家の場合
そして、我が家の場合ですが
息子の場合はあきらかに中学3年間に大きな伸びがありました。
以前も書かせていただいた、数学ガールとの出会いです。
息子の東大のお友だちによると、中学時代に親御さまがNewtonを買ってきてくれて読んだらはまって、数学や物理が大好きになった人もいるようです。
その方によると、Newtonライトもおすすめだそうです。↓
ワタシが息子の伸びに気づいたのは、その伸びが終わってずいぶん経ってからでした。
おそらく本人が勝手に伸び始めて、
ワタクシに邪魔されながらも伸びたというのが当時の状況でした。
そして娘はといいますと、高校卒業までにそのような目に見える伸びは親の目から見て感じられませんでした。
まぁ、これは娘の性格的に、石橋を叩いて叩き壊して結局渡らないようなところがあって、その影響もあるのではないかと思うのですが
大学に入って、医療系団体の活動や、4年生後半からの病院実習で伸び始めまして、
現在、初期研修医になり、一気に伸びています。
生まれて24年、やっとです。
さすがにここまで大きくなって伸びが表れているので、本人も親であるワタシも今が伸びる時期だという明確な自覚がありまして、
その自覚があると、いろいろなカベに当たっても冷静に対応でき、確実にカベを超える毎日を繰り返すことができています。
まさか、やっと今来たなんて… よかった。
このように当時のワタクシは、親として我が子の伸び盛りについて全く理解していなくて
ですから、息子の伸びているときに有効な声掛けができたかというと全然できていませんし
今伸び盛りの娘はもう大きくなっているので、励ますことくらいしかできません。
もしかしたら、ワタシが明確に気づかなかっただけで、数回伸び盛りの時期があったのかもしれませんし、子育て中に、今が伸び盛りであると気づいていたら、もっと的確に対応できたんじゃないかなと思うと、ちょっと残念な気持ちがありますが…
これを読んでいただいている子育て中のお父様お母さまには、ぜひ
お子さまには伸びる道があって必ずやってくること、そして、それを捉えたら上手に褒めて応援してあげてください。
その道を楽しく歩かせてあげてください。
伸びる時期が違うものの、二人に共通していることがありまして、それは
好きなこと・興味を持っていること・楽しい面白いと思って取り組んでいることで伸びる
ということです。
あーだから、他の人に言われたことじゃなくて、自分がわくわくしているかどうかが大切なのか…そして、それは本人や家族にしかわからないのか。
娘が競技かるたで伸びなかったのは、勝敗に一喜一憂していて、楽しんでいなかったからだ!
ということに、今ごろ気づいた次第です。
そして最後に…
「必ず伸びる時期がある」のはお子さまだけではなくて
大人にもあるような気がします。
本人はそのとき自覚していなくても。
皆さまや皆さまのお子さまが、今日また、新しく伸びるきっかけと出会えますように。
そして周囲もそれに気づいて、明確にバックアップしてあげられますように。
今回もお読みくださいましてありがとうございました。
娘の成長の記録は、時計通りに綴っています。どうぞ いちひめ もご覧ください。
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