東京大学の池谷裕二先生の講演会で学んだこと【その2】 | feel my force

池谷先生の講演会

にたろう

たいていの場合、どんな子育て論も、よそ様のお子様の子育て記も、具体的であればあるほどなかなか参考になりません。

って、子育て記を書いているワタシがここで書くのもなんですけど…

部分的に参考にすることはできても、完全に真似はできないし、我が子にはうまくいかないことが多いからです。

子どもも十人十色、親も十人十色、当然ですよね。

  

ワタシは、過去にいろんな方のいろんな子育ての記録を読ませていただいて、何を参考にさせてもらったかといいますと、

最後は家族で決める

という点でした。

 

どちらのお宅でも、いろんな方針があって、将来に向けての計画があるのですから、

子育ての王道はないと思っています。

必要なのは我が家の(王)道。

    

ま、そうじゃなきゃ、子育てがぐらぐら揺れっぱなしだし、ブレブレになってしまって、やってられないですよね~。

 

それを踏まえ、今回は、この回に引き続き、池谷先生のお話の続きです。

  

高校の講演会の冒頭で、”東大へいらっしゃい” と宣伝された池谷裕二先生。

楽しいお話はまだまだ続きました。

 

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頭の良さを決める三つの要素

フランスの心理学者ビネーは、頭のよさとは何かと考え、IQテストを作った人です。

(ビネー式知能検査でググるとすぐ出てくる人です)

1900年ごろに活躍していた人なので、今から100年以上前のことですが、

この方は、

頭のよさを決めるのは、三つの要素である

と言ったそう。

その三つとは…

 

三つの要素の一つ目は論理力

論理力とは理詰めで考えられる力なので、今の科目で言うと数学。

 

二つ目は、言葉。つまり国語の力です。

どんなに頭の中ですごいことを発見・発明しても、それを人にわかるように伝えられなければ、

考えていないのと同じになってしまう。

  

ここまでで言えるのは、

国語と算数がどれだけできるかということ。

 

さて、三つ目ですが、ビネーさんが指摘したのは、

熱意

なのだそうです。

 

ワタシ的には、冷静さとか判断力とか、無駄のなさ…のようなことだと思ったんですけどね…違ってました。

 

もしかしたらこれらは、熱意の上に乗っかって初めて力を発揮するのかもしれません。

 

ちなみに、最近の日本では、熱意が軽視されているそうで、その最たる表現が

「あなたは、やればできるのにね」

なのだそうです。

やればできる、やってないからできない、やる熱意がない →→→ 頭が良くない

と言っているのと同じだそう。これは相当ひどいダメ出しなのだそう。

 

そしてそれを言われた側は、「やればできるなら今やる必要ないね」→「いつかやるよ」という先延ばしの言い訳になり、でも実際やらないからやったことの差がどんどんついて、、、

ちょっと「やっても追いつけない」という事実を認めたくなくなる。「やればできる」と言われてきた自分が、「やってもできない」という評価を下されたくないので、

いちばんいい選択=”最後までやらない” ということになってしまう。

 

だから、「やればできる」は親も、先生も、自分も絶対言ってはいけない言葉なのだそうです。

 

誤解のないように書きますと、

”人生やりとげて、やりきった、できた” 人が、

みんなでやりましょう、まず一歩を踏み出しましょう、できるから、の意味の「やればできる」と言うのは、「私はやったらできましたよ」と同じ意味なので、OK。

 

この、熱意 というのは、いわゆる国語や算数のようにテストで測ることができないので、

見えない学力

と呼ばれているのだそうです。

    

熱意ね~

……難しいですね。

もともと子どもに熱意やモチベーションがあるのなら、親もタイミングを見計らって、うまく褒めて讃えるんですけど…

熱意低めの子どもにモチベーションをいかに持たせるか、いかに楽しいと思ってもらうか…ってことになると、これは時間がかかります…

でも

そういう時こそ、この池谷先生のお話は、インパクトがありました。高校生というのは、好き嫌いに関わらず勉強させられるので、嫌いな科目とのつきあい方に変化の出そうなヒントもいただきました(下の方で触れています)。

      

他にも、サブリミナルで「頑張れ」を出すと、本当に頑張れてしまうとか、「絶対合格」を自分の斜め後ろくらいに貼ると集中力があがるなど、その日からすぐ使えそうなヒントも出していただきました。

記憶に一番向いている時間

池谷先生は、お話の中で、記憶のメカニズムにも触れられました。

それによると、記憶とは、海馬のなかの神経回路を強化する=復習をすること で、より強い記憶ができる、そして復習は復習でも、

がむしゃらに見る→覚えるというインプット型勉強を繰り返すより、

覚えたら、自分でテストを作ってみて、解いてみるといった、アウトプット重視の勉強をした方が、点数が良くなることまで研究の成果として発表されています。

 

さらにこれを一日の中の記憶をしやすい時間帯や、体調なども勘案すると、

  

日曜日や夏休みなど、一日中自由な時間がある日の、朝7時に起きて夜11時に寝るとしますと、、

 

記憶のゴールデンアワーは3度の食事の直前(空腹時)

朝より夜の方が記憶の定着が強いので、

朝ごはん前は、簡単な問題を

昼食前や夕食前は、難しい問題にとりくむとよい

歩くと海馬からシータ波が出やすいので、英単語などは歩きながら覚える

  

といった内容が、池谷先生の著書、「受験脳の作り方」に書いてありますよ(笑)と紹介されながらお話されました。

 

笑うから楽しくなる

最後に、「笑顔という魔法」という、池谷先生の文章を紹介されまして、

これは中学校1年の教科書に載っているらしいのですが、(

お箸を横向きに口にくわえた時と、縦向きにくわえた時とでは、同じ漫画の面白さの評価が変わってきて、横向きの方が評価の点数が高いという内容です。

これは、口角を上げると楽しいと感じるという、身体側が、脳の気分のスイッチになっていることがわかったという研究で、

姿勢を良くしたり、ガッツポーズをするとやる気がでるのだそうです。

 

これらのすごいところは、先生が実際に実験し、データをとり、サイエンス誌をはじめとした著名な論文誌に多く掲載され、発表されたものであるという点。

そこが、教育評論家の方の(裏付けのあるようなないような)お話とは決定的に違うところですね(「論文」という言葉に弱い…)。

熱意の出し方

ということで、最初の三つの要素、「熱意」について戻るのですが、

たとえば、朝寒い、まだ起きたくない、という気持ちを「熱意」でカバーしてコントロールするのって難しいと思うのですが、

先ほどの、”身体側が、脳のスイッチになっている”ということを応用すると、

いやいやでいいから、起きてみる

ことで解決するそうです。

起きて顔を洗ったら気持ちよかった、起きて朝食を食べたら美味しかった、のように、後で楽しくなる。

 

いやいやでいいからやってみる、というのは、飽和しかかっている脳に勉強を強いる時など、まさにそんな感じですが、それでもやっているうちに楽しくなるなら、やりがいもあるのだそうです。 

脳って、案外シンプルなんですね。

    

嫌なことを、嫌だとおもうのではなく、とりあえず、感情にカギをかけてやってみる、というのもいいかもしれません。

    

いやいやでもいいから、とりあえず学校に行ってみる、仕事にも行ってみる…感情は引き出しにしまって、動いてみる。。。

   

さて、  

この数行で、「いやいやでもいいから(やってみる)」を、5回書いたんですけど、

実は今、ちょっとやりたくないことが現実にワタシ自身の目の前にありまして、、

でも、さすがにここで 5回書いているうちに、脳内にインプットされたのか、

ちょっとやる気になってきました。

次はインプットよりアウトプット。実際に行動してこようと思います。人生こんなことの連続(苦笑)…

 

効果がでるのは約3か月後。

「うんざり」も「がまん」も引き出しにしまい、余計なことを考えないでまずは3か月行動、ですね。

       

ここまでくると、高校生限定ではなく、大人にも十分通用しそう。。。

 

十人十色の子育て

最後は、冒頭の子育て論に戻ります。

 

この講演会のおかげで、

他人様の子育て論を無理やり真似をするのではなく、

まずはお母さんが口角を上げて子どもに接する、すると、子どもの口角も上がる。

熱意を作り出して、喫緊の課題をこなす、を続けてみる。

その繰り返しでいいんだという裏付けをもらったような気分になりました。

     

子どもの大学受験という、大きな壁であり不安要素をかかえていた当時のワタシ。

池谷先生の言葉は、子どものことだけではなく、自分自身へのエールにもなりました。

 

娘の成長の記録は、時計通りに綴っています。どうぞ、いちひめ もご覧ください。

 

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