アクティブラーニングで学んだ結果【中学校編】 | feel my force

アクティブラーニングの学校

にたろう

筑駒は、アクティブラーニングで有名らしいです。

おそらく、満足度が高いのでしょう。

 

「筑駒 アクティブラーニング」で検索すると、

筑駒以外の学校のアクティブラーニングの取り組みのサイトも表示され、アクティブラーニングが、筑駒以外の多くの学校で行われていることがわかります。

  

我が子たちが通った国立小学校・中学校も、9年間を通じてアクティブラーニングを実践していました。

  

アクティブラーニングといいますと、

  • グループディスカッション
  • グループワーク
  • ディベート
  • 発表

など、授業中に行われるスタイルだけでなく、

  • ノーチャイム
  • 校則なし
  • 校外研修での自由行動

など、学校生活全般においても生徒の自主性を育む取り組みも広く指すことがあります。

 

子どもを安全に、自由に”泳がせる”ことを指導するなんて、先生方、大変でしょうね…

 

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授業では

中学校の授業でのアクティブラーニングの柱は、グループディスカッションと発表でした。

 

あるときは、テーマを与えられ、

あるときは、テーマを自由に決めて、

先生に決められたグループのときや、似たようなテーマの人どうしがグループを組むなどして、

テーマについて調べたり意見交換をします。

自分の意見と対立する意見についても詳しく調べます。

   

さらに、

個人がまとめたものを発表しあったり、

グループの中で意見をまとめて発表することもあります。

これを各教科で行います。

 

時にはテーマに対する投票を行ったり、ディベートに対して第3グループが賛否の投票することも。

 

グループ発表は、一年に一度、大きな発表会がありまして、他学年の生徒さんや保護者の前で各グループが発表します。

 

個人の発表も、一番大きなものは一年に一度、冊子になって家庭にも配布されます。

 

これを3年間。

すなわち、下の学年は上の学年の先輩方の発表を見て育ちますし、

同学年どうしでも、プレゼンテーションの上手なお友達の発表に直接刺激を日々受けることになります。

 

正直なところ、息子は、中学になったばかりの頃はとても戸惑っていました。

各科目の単元ごとに「ガイダンス」「つかむ学習」「共通テーマ・個人テーマ」「追求」「交流」「振り返り」…

アクティブラーニングの難しいところ

生徒が慣れるのに時間がかかる

小学校でやってきたアクティブラーニングには、「発表」はあっても「まとめの記述」はそこまで厳密ではありませんでした。

中学になると、各科目各単元で書きこむ項目欄があり、意見の変化などもわかるようになっています。

 

横並びで中学生になった仲間とはいえ、最初から意見を上手に出せるお子さんとそうではないお子さんがいますし、

そもそも、まとめること自体に時間がかかります。

この段階、誰もが通るのですが、アクティブラーニングのハードルの高いところです。

    

先生の手間が大きい

各項目に記入が終わると、先生が集めてチェック

色ペンで先生の感想や意見が入る

の繰り返しです。

 

この取り組みのプリントが今も残っていまして、

中一の最初の時ほど色が多いことから、先生が丁寧に見てくださっていたことが親にも伝わってきます。

  

最初は、先輩方の過去の記述も断片的に紹介され、生徒たちは少しずつ書き方を学んでいきます。

 

先生方、お疲れ様です。

難しいけれど繰り返す

アクティブラーニングは、怒涛のインプット→アウトプットの繰り返しです。

あ、でも、怒涛でもないか。

楽しそうでした。

   

中1の二学期にはそれなりに慣れてきます。

意見を出すことが上手くなる

最初は、間違ってもいいから意見を出すことを意識します。

何か思う、思ったことを言葉にするトレーニングです。

そのうち、「自分の意見」になっていきます。

まとめるのが上手くなる

これは、思ったことをただ書くのではなく、読んでもらう相手にわかるように書くことを心がけます。

お友だちの「まとめ」を真似するのもOK。

スペースはそんなに広くありません。限られたスペースに思いをちょうどよい長さで書くトレーニングです。

発表が上手くなる

人前で声を出して話すのは、人の人数が増えれば増えるほど緊張しますが、

発表の練習は回数を重ねることが一番の上達の近道です。

相手の意見をきちんときくようになる

ディベートでは、短時間で効果的に自分の意見を言うことが必要です。

相手の意見を正しく聞き、自分の意見をいう練習も、回数を重ねることが大切です。

発表があるから、身が入る

従来の知識伝達型の授業とアクティブラーニングの一番違うところは、

最後に発表がある点です。

生徒は最後に発表をしなければいけないので、

自分はどんな意見を持つか、その意見の問題点はどこか、どう伝えるか、どうまとめて書くかを

単元の最初から考えるようになります。

  

これは先生が実際におっしゃっていたことですが、

最後の発表がないと、生徒は、同じことに取り組んでいるのに、どんどん疲弊していくそうです。

面白いですね、発表がない方がはるかに楽なはずなのに。

脳って、「入れたら出す」の方がうれしいのかも。

本当に、不思議。

 

子どもの勉強も同じだなぁ…コーチが結果を見ていてあげることが大事なのかも。

 

自信がつく 

アクティブラーニングが成果として自覚できるのは、

新しい学校に進学して、とか、大人になって、など

そのコミュニティから出て、自分の身につけたやり方が通用したときです。

 

我が子たちが進学した公立高校の入試では、ペーパーテスト以外に、グループ面接がありました。

グループは、同じ中学の人が固まらないよう分けてありました。

 

面接では、お題を与えられ、それに対してそれぞれが意見を出し合います。

息子のグループは、

「学校の授業に△△の導入は必要か?」

というお題で、息子以外は全員「△△は不要である」という意見になったそうです。

1対7くらいで、数でいえば完全な劣勢でしたが

「1の方だったから、たくさん意見を言えてよかった」

と言っていました。

これも、それまでのアクティブラーニングと通じてさせてもらったトレーニングのおかげ。

 

どんな大人になったかといいますと

で、一番気になるところ、

小学校中学校で9年間アクティブラーニング育ちの我が子たちがどんな大人になったかといいますと…

 

例によってバカ親炸裂します、いつもいつもごめんなさい

 

これは我が子二人ともに共通しているのですが、

  • まとめるのが上手い
  • 教えるのが上手い

大人になりました。

 

 

大学に入ると、知識を問う試験と同じくらい、レポート課題があります。

この、レポートを短時間でまとめる力は、中学のときに身につけたと、二人とも言っています。

これは、我が子だけではなく、多くの附属小中学校を卒業されたお子様を持つお母さまも言っていらっしゃいます。

 

そして、教えるのが上手い、の方は、

息子の方は中学生の時から、お友達にそう言っていただくようになりまして、

高校では、帰宅後も質問されるようになり、よく、解答解説を書いたものを画像に撮って送っていました。

実は、東大でも…「◇◇がわからないなら、(息子の名前)に質問するといいよ」

と一部のお友だちから言われているそうです。

いいお友だち☆

 

娘の方は、高校までは、デキるお友だちに教えてもらう方が多い人でしたが、

医学部の実習が始まってからは、

後輩に教えるのが上手いね

と、同期の友人から言ってもらえる存在になったそうです。

 

(いずれも、本人の自己申告です)

 

君たち、今も、褒められると喜んで頑張るタイプだよね。

これからも頑張って!

これからのアクティブラーニング

文部科学省ではアクティブラーニングを学校の現場でも導入するべく、いろいろな取り組みを始めています。

従来の知識伝達型の授業は、動画でもできるけれど、

アクティブラーニングを継続してやるのは、学校でしかできません。

 

慣れるまでのハードルがちょっと高いアクティブラーニングですが、一度経験してしまうと、アクティブラーニングの授業じゃないと物足りなくなるらしく、

    

実際、我が子たちも、

人が集まって、コミュニティがあって、友だちがいて、同世代の友だちといろんな意見交換をすることは

先生から一方的にお話をきくより、

ずっと楽しい

と言っていました。

高校や大学で

 

中高一貫校では、6年間のなかでテーマに沿った学習や研究をさせてくれる学校も多いですね。

桜蔭の「自由研究」、渋幕の「自調自考論文」、麻布の「社会科基礎課程修了論文」、、、など

各学校が特色のある取り組みをしています。

 

我が子たちが進学した地方の公立高校では残念ながら導入されておらず、

あくまで実験的にアクティブラーニングを意識した授業を試みとしてやることもあった、程度でした。

 

そのため、せっかく小学校・中学校で経験したアクティブラーニングですが、 

アクティブラーニング的なのことは、自主的にお友だちと一つの問題について解法の違いを言い合って楽しむ程度で、ほぼお休みでした。(こちら

まぁ、カリキュラムを変えるのは大変なことなので、これは仕方ないのかな…

 

東大では、教養学部時代は知識伝達型がメインだったものの、

工学部へ進学してからは、アクティブラーニングの割合が増えています。

 

卒論・修論って、アクティブラーニングの積み重ねですよね。

 

もし、皆さまのお子様の進学先を迷われたとき、アクティブラーニングを積極的に取り入れているかどうかがわかったら、

また、その様子を何らかの形で公開している学校なら、ぜひご覧になって、

判断材料の一つにされるとよいと思います。

 

やり方を間違えないようにすることも大切らしい

と、ここまで駆け足でご紹介してきて、

なんだか、アクティブラーニング最高!みたいな文章になってしまったので、

まぁ、実際ウチはうまくいったのでそう思っていますが

 

小学校中学校の指導要領を全面的に切り替えるには注意が必要であると警鐘を鳴らす意見がかいてあるのがこちらです。

 斎藤 孝 著「新しい学力」

 

この本では、斎藤先生が実際に明治大学でアクティブラーニングを実践され、

その長所を挙げると同時に、導入の難しさや失敗の可能性に言及されています。

   

それによると、 

アクティブラーニングは従来の知識の積み重ねの上で行うべきことで、

なんでも「アクティブラーニング」という名の下でグループ討議→発表を繰り返せばいいというわけではない。

   

確かに、

知識の積み上げ部分にかける時間とアクティブラーニングに割く量や質のバランスが、

コーチ役の先生のスキルにかかる部分が大きいのはネックなんだろうな、と思います。

 

これって、小学校の英語教育や、プログラミング教育に似ている…

どこまでを学校に任せて、どこまでを家庭でやるのがいいのか。

難しいところです。

     

先生方、お疲れさまです。

  

娘の成長の記録は、時計通りに綴っています。 どうぞ いちひめ もご覧ください

 

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