大学受験に親はついていくかどうかについてご質問をいただいたので、今回は、我が家がどうだったかについて書きたいと思います。
大学受験、と、大きくひとくくりにしたような表題にしてしまいましたが、実際は、息子が
国立大学前期試験への受験をしたとき、ウチは親がついていきました
というお話です。
ちなみに息子の東大受験は、
- 前日新幹線で東京へ行き、下見
- ホテルに2泊
- ご飯はコンビニなど
、、、のパターンです。
まず、息子もそれを望んだ
大前提として、親子で話し合った結果、です。
それを超えてまでついて行く必要はありません。
えーっと、ここで我が家の暗黙のルール的なものを簡単に説明しますと、、、
小学生まで:話し合うけれど、親が最終的に決める
中学生:話し合う。子は、親の意向をふんだんに汲んで、結論を出す
高校生:話し合う。本人の意向と親の意向は、3.5:6.5くらい
結局、親の意向じゃん!
なんだかね、長い子育ての中で、そうなっちゃったんです。
上の娘が小学生の頃に出会った子育て系メルマガ 親技 という、推定、西日本で塾をされている方の子育て方針のなかで、
「塾講師をしていてわかった。コドモは、オトナの顔色を見ている。このオトナちょろいなって思ったら、先生だろうと親だろうと、言うことはきいてくれない。その分かれ目は、そのオトナが先に折れるかどうか、である。だから、オトナは先に折れてはいけないのである。」
というようなことを書いていらして、イタく、心に沁みてしまったのでした。
具体例を挙げて説明をされていました。あまりにも昔過ぎてその原文は見つけられないままなのですが、
宿題をやらない子をアマい顔で許したら、その子はそれ以後宿題をさぼるようになる、宿題をしてきていないなら、終わるまでオトナがつきあう、と、その子は、仕方なくでもやる。このオトナに従わないと面倒だ、と思わせる。
といった内容でした。
このメルマガから発展して今もサイト運営をなさっていらっしゃるようなので、それなりに実績と信用のある方とお見受けします。
もちろん、親は折れない分、ブレてはいけないし、「やっぱり親の言うとおりにしておいてよかった」と思わせる結果を出させなければいけないので、その分責任も重いですけどね。
実際、ついてきている親はたくさんいた
親が入試についていくと決めたとしても、子どもの心の中で
ウチだけついてきてる、はずかし…
と思ったら、やはり、かわいそうです。
息子は理系だったので、本郷で受験。ホテルはお茶の水で、会場までは歩いて行ける場所でした(ホテルは親が予約しました)。
で、前日・当日どうだったかというと、
親子連れはたくさんいました。
お父さんとお子さんの組み合わせも、たくさんいました。
(もちろん、本人だけの人もたくさんいました。)
前日の下見にも、多くの親子連れがいました。
前期試験一日目の朝、受験番号別に指定されたゲートから入場をするのですが、そのゲートまで一緒に歩いて行って、がんばれ、と送り出していました。
(ちなみに、毎年、正門側のゲートは予備校やメディアの方もいて、大賑わいです。正直、気が散ります)
試験終了時刻を目指して、また、親の皆さんがゲート周辺に集まり始め、出てきたお子さんの頭をなでていたお父さんもいたそうです。
一日目の夕食は、親がホテルに相談したところ、予約なしだったにもかかわらず、ホテル内のレストランで食べることができました。
前期試験二日目の朝は、本人を東大まで送った後、親がチェックアウトの手続きをしました。
荷物はホテルに預かってもらっていました。
帰りは、試験終了で精根使い果たした本人の様子をみながら、間に合う新幹線の指定席を取り、一緒に帰ってきました。
雨も降らなかったし、おかげさまで、親としては最低限の役割だけですんだ受験でした。
しかし、ちょっとさかのぼった2014年入試の2月のこと。東京は大雪に見舞われ、公共交通機関にも乱れが生じたため、各大学で入試の開始時間を遅らせる処置がとられた時がありました。
スニーカーで雪の上を歩き、靴も靴下もびしょぬれのまま試験を受ける羽目になったとか、誰か長靴貸して、とか、SNS上でも受験生がかなり混乱している様子が伝わってきたことがあります。
そんな思わぬ事態になった時に、近くに頼れる大人がいたら…、、、18歳の自分なら、たぶんそう思う。
また、受験に先立ち目を通した東大合格体験記の中には、
一日目ができなかった、と思った方のがありまして…
- 絶対落ちたと思い、ショックのあまり二日目は棄権しようとしたが、ここまで来たんだから明日も受けに行こうと家族に言われ、とりあえず二日目も受験した(この方は東大理三に現役合格されていました)
この人にとって、そばにご家族がいて本当に良かったね、って思いますし、もし一人で受験に行かせてウチの子がそうなったら…
そもそも、
東大受験生の中には、当日、自宅から、お母さんのお弁当を持って、いつもの電車に乗って受験会場に来る受験生の方が多いです。一緒に受験する友達も多いです。この人たちには実質、親も友達もついているってことですよね。
だから、受験に親がついていくこと、試験を受けること以外のサポートを親がやっても、別にいい、と思います。
っていうか、
次々についていく理由を片っ端から考えている時点で、我が家に、ついていかない選択肢はないか…
知人のなかだと、東大に限らず、お子さんが試験を受けている間に、春からの住まいの物件探し・合格前予約などをしてくる、とても手際のよいお母さまもいらっしゃいました。
東大生協も、そういう保護者を対象に”住まいの相談会”をやっていました。
息子の受験の時は本当にありがたいことに、何も問題なく、滞りなく試験が行われ、無事に終わったので、もしかしたら、息子が一人で行くことを望んだら、ついていかなくてよかったのかもしれません。
同じ東大受験に行った息子の友人の中には、一人で行って、一人で受験して、一人で帰ってきて、ちゃんと合格した人もいます。
彼は「こんなところにまで親がついてくるなんて、過保護すぎる」と言っていました。
素晴らしいです。同じ年齢ですが、彼はもう立派なオトナ。
そういう子ってね、前もって泊まるホテルも自分で調べて予約(歩いていけるホテルはもう残っていないので、普通に電車にのって受験会場へ)、新幹線も自由席、ひとりご飯にも慣れています。あるいは、(高卒生だと)友だちの部屋に泊めてもらうよう自分で手配しています。
そこまでできるなら、任せても大丈夫、って親の方もなりますよね。
息子にはそんな手回しの良さが微塵もなかったなぁ~。
いやでも、今はそこまでを望むより、東大に合格する方が優先だから。
あ、ここまで「親」とかいう曖昧な書き方をしていまいましたが、息子の受験について行ったのは、夫です。
(アイキャッチ画像は、夫が息子を見送ってからお詣りした、神田明神さんです)
以上、我が家の場合でした。
ちなみに、これからずっと一人暮らしなんだから、一人で受験もできないようじゃ、先が思いやられますよ、っていう人がいらっしゃいますが、
おかげさまで、無事に、一人暮らしができています。 自炊もしています。 あの過酷な前期教養課程もクリアできました。
ほんとに、本当に、ありがたいことです。
最後にこんなニュースを見つけたので
2014年
大学の受験シーズンが本番を迎えた2月25日、東北大学(宮城県仙台市)で前期入学試験が実施された。ところが試験開始直前の9時40分頃、大学は仙台駅バス乗り場の混乱を理由に、10時開始の外国語試験を30分遅らせると発表。
この混乱の内容は、複数のメディアによって「9時半頃になっても受験生300人がバス乗り場にいた」などと報道された。一見地味なローカルニュースだが、混乱の原因が保護者にあるかのように報じられたために、非常に大きな反響を呼んだ。
日本報道検証機構GoHooより
ニュース報道によると、保護者が一緒にバスに乗ったため、バスに乗り切れない受験生がでた、らしいのですが、バスは路線バスではなく、受験生のみ乗車可能のバスだったことから、誤報ではないかという記事です。
そんなまさか、受験生専用のバスに、親が乗ったりしませんよね~。東北大震災の時、避難所で整然と列を作って、世界から絶賛された人たちですよ。こういう悪意ある報道に振り回されないよう、親も注意しないといけません…
娘の成長の記録は、時計どおりに綴っています。 どうぞ いちひめ もご覧ください。
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