中学2年生は多くの生徒さんにとって数え年の15歳にあたり、それにちなみ学校で「立志式」がありました。
立志式とは、
日本で古くから行われていた「元服」にあたる儀式を模し、 一人の人間として「志」を立て、人生の指針と強い意志を表明し、前向きに自己の将来を設計しようとする力を培う式
らしいです。
いつから学校でやるようになったのかな…
そういえば、小学校のときは、二分の一成人式とかいう式もあったな…
学校でいろんな行事をしてくださることはありがたいし、大賛成!
漢字一文字
中学校では、立志式にあたり生徒が色紙に漢字一文字を書いて、志を立てるとのことでした。
成・動・凛・信・智・優・真・翔・・・いかにも志の高い漢字で、見ているだけで気分高揚、
ちょっと背伸びして、無・道・静・志・・・・とか
中学生らしく、友・明・楽・夢・・・・・とかとか、、
(単なるはすちゃんの思いつきです)
自分のトレードマークともいえる漢字一文字、
皆さんはどんな一文字を選びますか?
また、お子さんに対しては、どんな一文字を選んでほしいですか?
まぁ、親ですからね、我が子がどんな字を選ぶのか、ちょっとした期待だったり楽しみだったりするわけですよ。
で、息子が選んだ一文字は
「嫌」
でした。
は?
「嫌」?
親の至らなさで
なんだろう、この無力感…
「どうして、その字を選んだの?」
というワタシの問いに対し、息子の返答は、
「嫌」という先入観を持たない、まずは挑戦してみる、行動してみることが大事だと思うから
という説明でした。
それって、めっちゃ偉いよ!
そんなの、ワタシは人生かけてもできないのに、それをさらっと言う?
すごいよ!
でもね、
立志式の一文字にふさわしいとは思えない。
「嫌」からくるインパクトが強すぎて、本当に嫌になってしまいそう。
この字を座右に置くのって、危険すぎない?
みたいに思ってしまったワタクシ、そこからは一応猛反対ですよ。
でも息子が変える気配はありません。
え゛ーーーーーー
意外と頑固
でも、親としても納得がいかないの。
ごめんね、保護者も出席できる立志式、欠席してもいいかな
「変わった字を選んだね」くらいはママ友から普通に言われそうだし…
あー大人げない、大人げない
親として全然至らないのを自覚しつつ、ワタクシ、本当に立志式を欠席してしまいました。
やっぱり目立つよね
立志式当日の保護者参加を欠席してしまったワタクシ。
娘のときも息子のときも、それまでもそれからも、保護者会はほぼ皆勤だったんですけどね…
お友だちママに様子を尋ねることもできず
小心者
後日配られた学年だよりで式の様子を知りました。
そこには、生徒一人一人が思いを込めて色紙に書いた一文字の写真も。
息子のお友だちの一文字をみて、
あ、〇〇くんらしいね、
とか
◇◆ちゃん、面白い字を選んでるね
とか、
自分の名前の一文字を選んでいるお子さんも結構いらっしゃって、総じて感じがいいわけですよ。
まさに、生徒のみなさまが選んだ漢字には、希望が満ちています。
いないよね、一見ネガティブな字を、敢えて自分への戒めとして選んでいる生徒さんなんて…
我が子以外は…
学年だよりと一緒に持ち帰ったものは、「嫌」と大きく書かれた色紙の他に、お友だちからのメッセージもありました。
「最初は、え?なんで?と思ったけれど、敢えてこの字から逃げない姿勢がすごいね」
「自分もそういう気持ちでものごとに取り組まないといけないと思った」
・・・・・・
お友だちのみんなーーーーーーっ
親のワタシよりずーーーーーっと優しいし、ずーーーーーっと偉いじゃん。
息子は、ワタシがあのような対応をしたことについて、不機嫌にはなっていませんでした、たぶん。
(見た目)
それをいいことに、ワタシはその話題には触れないまま過ぎていき、現在に至っています。
たぶんまだ、あの色紙もどこかに残してあります。
成人式で
さて、あれから5年後、成人式で懐かしの仲間が集まったときの日に飛びます。
中学の同窓生の集まりにはお世話になった先生方も来てくださっていました。
親も任意参加の行事でして、成り行きでワタクシも出席しました。
会の最初にご出席の先生方からお言葉をいただいたんですけど、その中に、
「成人おめでとう、この中学に来る子はしっかりしていました。中学生の時の君たちはまだ小さかったけれど、しっかり自分と向き合って自分の足で歩こうとしていました。立志式のときの一文字にある生徒が「嫌」という字を選んでいて度肝を抜かれた。こんな生徒は前にも後にも彼一人です。」
となぜか、息子を名指しにお言葉を下さった先生がいらして…
あ゛ーーーーー、この期に及んでそこに触れられるとは…
まぁ、そりゃあ、珍しいですよね。
いやでもなぁ。。。
帰宅してからも、息子とその話はしませんでした。
ワタシにとっての闇…
実際の息子は…
中学2年生のときにこんな志を立てた息子ですが、
最後に、その後がどうだったか書かせていただきますね。
「嫌」の先入観を持たない、を息子が実際に実践していたかと言いますと…
それはしていたように思います。
っていうか、当時の息子にとって「嫌」でもやらないといけないのは勉強だけでしたから、
勉強に対して「嫌」の気持ちが強くならないように注意していたようにしていたのは感じました。
「勉強に関して嫌になるとしたら、中途半端にまる覚えするとか、全然勉強してないのにテストを受けるようなときだから、もうちょっと距離を詰めてしっかり考察をして理解するところまで学べば、
どんな教科も面白いよ!」
とよく言っていました。
「(中学校で学ぶ範囲はそんなに多くないので)普通に授業をよくきいて、教科書を読み込めばわかるから面白い」
とも。
社会はそんなに得意ではありませんでしたが、先生の話が面白いので社会も好きだと言っていました。
えらい
高校ではさすがに学ぶ量が多い分後回しになった科目も出てきてしまいましたが、
「時間がないから後回しになって点数が低い科目はあるけれど、嫌いではないし、時間があればちゃんとやるんだけどな」
と言っていましたし、
大学に入ってからは、教養科目も専門科目も、ワタシがそれまで見たことがないほど予習と復習をしていましたので、
まぁそもそも大学では「嫌」な科目は選択していないっていうのもありますが、、、
そういう意味では、「嫌」の気持ちを持たない、はその後もちゃんと実践しています。
偉いじゃん、もうそれでいいじゃん。素晴らしいじゃん!
そうなんです、それでいいんですけど…
嗚呼、あのときの「嫌」という字のインパクトが強すぎて、立志式には合わないんじゃないか、というワタシの気持ちは、結局そこに置き去りにされたままだ。
あのとき、いいね、その字!と言えなかった自分。ワタシに何と言われようとちゃんと貫いた息子。
軍配は完全に息子です。
でも今でも、いいね、その字!、とは言えないな…(軽くこの漢字にトラウマ)
まだまだ未熟な親です。
娘の成長の様子は時計通りに綴っています。どうぞ いちひめ もご覧ください。
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