東京大学は、毎年、入試問題の出題意図を公表しています。
(2021年度入試問題の出題意図はこちらです)
東京大学の入試問題の出題意図の公表は2019年から始まったばかりですが、
例年、同じようなことが非常に抽象的に書かれているように感じるのはワタシだけ?
まず、問題は前提条件として「基礎的な知識を持っていること」を問うものであり、学校の教科書の範囲を超える場合は、平易な解説を必ず盛り込んであると明記されています。
その上で、
- 問題の本質を正確に読み取る
- 柔軟な思考力
- 総合的に分析
- 視点を明確に
- 論理的に表現
- 簡潔に表現
などなどなどなど…
小中学校の通知簿みたいですね…
正直、この意図を東大を目指す高校1~2年生のお子さんがみて理解し解答を書けるとしたら、
それはもう半分以上出来上がっている人。
じゃあ、いつこの基礎を組み上げるかといったら…やっぱり中学生までじゃないでしょうか。
中学卒業までにやっておくべきこと
中学生の間は、時間があります。
時間がある分先取りするのもいいんですけど、ただ目の前のテストの点をとることだけに注力するのではなく、じっくり考えたり調べたりすることにも時間を使ってほしいと思います。
目標は、
面白い → 楽しい → 好き
になること。
部活動で忙しいんじゃないの?という方、もし部活動に中学時代を注ぎ込む覚悟があるなら全振りしてもいいと思うんですけど、そうであっても以下のことだけはなさっておかれる方がいいと思います。
教科書を丁寧に理解する
お子さまは、学校の授業で教科書をどのくらい開いていますか?
もちろんそれは教科担任の先生次第なわけですが、
もし、学校で教科書を読んで一字一句理解するということを授業でやっていないのであれば、
お家で教科書をしっかり読み込む→しっかり理解するの学習の仕方をマスターしてもらいたいと思います。
我が子の通った国立小学校・中学校は、あまり教科書を開かない学校でして、
正直、小学校の教科書は最後まで薄かったので、学校の授業だけでも教科書の内容を網羅してたと思うんですけど、
中学の教科書は、しっかり読み込んだわけではなかったようで、プリント中心の科目もありました。
下手に参考書や問題集を先に学習するより、
なぜなのかを深く理解するためには、教科書はちょうどよい難易度だと思います。
できれば、保護者の方も読んでみられて、お子さまとの話題の一つにされるとさらに良いと思います。
知らないこと・忘れてることが盛りだくさんですよ
これをやっていないと、高校になってから教科書を完全に理解することをおろそかにしがちになります。
高校の教科書は東大入試の試験範囲ですので、全て理解しておくことが必須になりますが、その癖がついてないと、高校で苦労することになります。
我が子たちは、中学までに教科書を読み込むということをしなかったために、
高校でも教科書をないがしろにする部分がありまして、教科書を開かずにわからないわからないと言っていたことも。。。
息子は覚えることの多い分野が苦手でしたし、娘は原理をつきつめて考えることが苦手でした。
大事なことなので、繰り返しちゃっていいですか?
教科書を深く理解する、を中学卒業までに身につけましょう。
その後の伸びが絶対ちがいますから。
ワタクシ、一時期塾講師をやっていた経験がありまして、その観点からもおすすめです
アウトプット力を磨くこと
アウトプット力については、逆に国立小学校・中学校教育の得意分野でして、
レポートだの発表だのをさんざんやらせていただいたおかげで、
相手に伝わる表現力をずいぶんトレーニングしてもらいました。
見やすいレポートを作る
我が子たちが通った中学校では、レポート作りに始まりレポート作りに終わると言っても過言ではないほどやらせてもらいました。
問題を正確に理解しどんな結論に持っていくか、それをどう伝えるかは、ある程度頭の中で創り上げておくことが重要で、おかげさまでそれが自然にできるようになるまでになりました。さかのぼれば、小学校時代にどのくらい読解力や把握力を鍛えたかも関わったと思っています。
また、現在の東大入試は自筆で解答を書きますので、レポートを自筆で丁寧に書くことも結果的に役に立ちました。
相手に伝わる言葉で発表する
現段階で、東大入試にプレゼンテーションはありません。しかし、プレゼン力はレポートよりさらに上位の知識や技能を要しますので、結果的に紙に表現する現在の東大入試に役に立つ技能です。
ぶっちゃけ、我が子たちが中学生のとき、テーマを与えられて、調べて、意見交換をして、発表して、また意見交換をして…の繰り返しが多すぎて、これは高校入試に役立たないと思っていましたが、
そもそも我が子たちの通った中学校は、高校入試を突破するための技術を身につけさせてくれる場所ではなく、
大学入試や大学入学後に必要な技能の基礎を鍛えてもらう学校でした。
あのときは、中学での学びがこんな風に生きるとは全く予想していませんでした。
でも、中学の先生には注意
さんざん我が子の通った中学教育を良かったと持ち上げておきながら、敢えて言っちゃいます。
そうはいっても、先生は先生でご自分のやり方を通してこられます。
中には、
「中学生なんて体育会系部活でへとへとにさせて、他のことを考えられないくらいにしておいた方が問題が起きにくいと大真面目に思ってやってきたが、教師生活が長くなるにつれ、それだけではないことを知った。」
とおっしゃった先生がいましたし、
それ、生徒の保護者に言っちゃって大丈夫ですか?
「あの先生は自分の高校の同級生だが、授業スタイルが高校のときに習った☆☆先生の授業にそっくり。」
とこっそり教えてくれたママ友もいました。
中学なのに高校の授業を真似られても…
どちらも超びっくりでしたが、
その辺が教育実験校の自由度の高さなんですかねぇ。。。個性的な先生方が揃っていて、我が子たちは学校大好きだったので、もちろんありがたいことではありますが…
学校でのことは先生に全面的にお任せするけれども、目は光らせている、
親の方で必ず微調整を入れる、
そんな親をしてました。
高校になってからは時間がない
高校になってからは学校でガチガチにカリキュラムが決まっていて、
それをきっちりやってついていくしかない生活を送ってしまいまして、
ほんと、想定不足の母親でした。
中学時代にそんな高校時代を想定できていれば、もう少し余裕のある高校生活を送れたなぁ、ぎりぎりだったなぁと今でも反省することが多いです(特に上の子)。
今回は、これから中学生になるお子さんをお持ちの保護者様や、現在中学生のお子さんのいらっしゃる保護者様には、ぜひとも気をつけてみていただきたい点について書かせていただきました。
中学生って、一般的に扱いづらい年ごろなんですけど、でも、まだまだ突き放しちゃいけない年代です。正直、小さいころから親子関係を良好にと励んできた目標は、この時代にきちんと親子で対話をするためでした。
子育ては一人につき一度しかないので、これでいいと納得される子育てをしていただきたいと願っています。
娘の成長の記録は時計通りに綴っています。どうぞ いちひめ もご覧ください。
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