10月になりました。
来春入学の大学院修士課程・夏入試の結果が出そろいました。
息子も受験していまして…
おかげさまで合格しました!
ありがとうございますありがとうございますありがとうございます
今年は、筆記試験はキャンパスに集合して受けたものの、面接試験はリモートで、
合格発表もWEB発表でして、
息子からシンプルに
「大学院に合格しました」
と報告が来ただけ。。。ですが、親としては、うれしいことに変わりはありません。
よかったね~。
ありがとうございますありがとうございますありがとうございます
ということで、今回は、東大大学院入試の全体の数字などを見てみることにします。
東大の大学院(修士課程)の入学者は超ざっくりと3,300人。
東大の入学者は、超ざっくりと3,100人です。
大学院入学者数:東京大学大学院学生の入学状況 大学入学者数:東京大学入学者数・志願者数より
へ~、そうなんだ。
1,000人が学部卒業で就職
ここからは、東大公式ページの他に過去の東大新聞の数字などを参考にさせていただきました。
大学も大学院も定員は3,000人あまり。
そして、
令和3年春、東大の学部を卒業して就職した人は超ざっくり1,000人でした。
そして、文系理系別の人数や大学院進学率は以下の表のようになっていました。
大学入学定員 | 就職者人数 | 大学院進学率 | |
文系 | 1,223人 | 820人 | 32% |
理系(理三・医学部を除く) | 1,640人 | 191人 | 84% |
この表では文系・理系と分けましたが、学部によって大学院進学率に差がありますのでご注意ください。
この数字をみると、大学院修士課程への進学を希望している東大生が全員合格しても、まだなお1,000人あまり余裕がある計算になりますね。
それでは次に、大学院の実際の入学者数を東大出身者/他大学出身者別に見てみます。
大学院の各研究科別の進学状況
こちらは今年の春の東京大学大学院の各研究科別の進路状況です。
入学者数は「本学」と「他大学」別にカウントされていて、大学院進学者3,300人の内訳がわかります。
それによると
「本学」:1,596人(志願者数2,274人)※医科学の合計18人も含まれています)
「他大学」:1,727人(志願者数5,852人)
となっていますね。
なるほど…
たしかに東大卒業生のうち、就職で抜けた1,000人を除いた2,000人あまりが大学院を受験しているようですが、
その全員が大学院に合格しているわけではないようです。
厳しい…
さらに、
大学院の合格者の総数は、他大学からの合格者の方多い
ということか。。。
表を詳しく見ますと、15の研究科のうち
- 人文社会系
- 工学系
- 薬学系
- 数理科学
- 情報理工学系
の5分野は東大出身者の方が多いものの、他は入学者数が他大学からの学生さんの方が多い数字となっています。
ほほう。
学歴ロンダリング
学歴ロンダリング、ってなんかあんまりな言葉じゃないですか?別に悪さをしているわけではないのに。。。
学歴ロンダリングとは、「大学の学部卒の出身よりも、ランク的、ステータス的に上の大学院に進学すると、最終学歴がより良く見えるようにすること」だそうです。
そうやって十把一絡げに呼ぶのはどうかなと思いますし、ご本人からすれば、
努力をして、学歴を上げていくことは素晴らしいことですよね。
(ただし、見合った努力をしないまま学歴だけを笠に着るのは逆に恥ずかしいのでやめましょう)
大事なのはそこで何をやるかです。
実際、脅威ですよ、外部から入ってくるやる気満々の人。
たぶん
大学院ではありませんが、息子は、大学2年生に編入してこられた国立高専卒業の人に、
「負けてられないって思う」
と言ってました。東大生にとっても大きな刺激になっていると思います。
いいじゃん、それで。
お互いに切磋琢磨してくださいね。
大学院進学を選ばない人
さて逆に、息子や娘のお友だちの中にも、大学院進学を選ばない人はいました。
文系で大学院を目指さない人はそれなりにいる
文系では大学卒業で就職する人が多いです。
そのほとんどの方が最初から大学院にいかないことを決めていて、大学3年の夏からインターンなどを始め、早い人は大学3年生の冬までに決まるようです。
官公庁などの公務員は大学4年生の夏ごろ決まりますので、民間の内定をいただいたうえで、公務員試験の結果を待ってもらうこともあるようです。
公務員試験一本で希望の官庁に決まらなかった場合、急きょ大学院進学に切り替え、2年後にもう一度チャレンジされる方もいらっしゃるみたい。。
また、めちゃくちゃおせっかいですが、大学3年生のうちに決まる人の中には、
人気の学部だと早く決まる→→→でも…⇔第一志望ではない→気が変わる
みたいな構図があって、大学3年生のうちに内定がでた就職先を、大学4年生になって周囲がその人の第一志望の会社に決まっていくのを肌で感じ、早々に決まった会社を断りたくなることがときどきあるようです。
本当に行きたいところはどこか?
自分の人生ですから、自分も周囲も納得できる就職先を選び、向かっていってくださいね。
理系は多くの人が大学院を目指す
一方の理系は、ほとんどの方が大学院に進学します。
我が家も、息子が大学に入学した時点で大学院にも行かせるつもりでした。
これは、一般的に(東大以外でも)理系分野で採用する際に、メーカー側が大学院生を積極的に採用している背景があるからだと思います。
理系の場合、大学4年生から研究室配属になりますが、研究開発業務で採用するためには、大学+大学院である研究を成し遂げたことがある、という経験を重視しているのでしょう。
メーカーと直接つながっている研究室もあり、どの研究室で・どんなテーマで研究したかで就職先も変わってくるのだそうです。
こちらはこちらで、研究室選びが将来を左右するかもしれなくなるので、とても重要ですね。
息子にきいたところ、具体的に不合格だったお友達は知らない
のだそう。
一般的には留年するか、就職するか、一部の研究科が実施する冬入試を受けるか、秋入学をめざすか…
ただ、理系でも早々と大学院を目指さないと決めている人も若干いらっしゃるそう。
息子のお友だちでいうと、最初から進みたい道が決まっていて予定通りその道に就職する人とか、文系から理転してきた人(のうちの一人)とか、推薦で入ったけれど学部が合わず学問そのものへの興味を失った人とか…だそう。
そのなかでも、推薦で入ったけれど勉学への意欲を失ってしまった方のことは残念だと言っていました。
東大に推薦合格するというのは、特筆すべき業績を高校までに挙げた人であり、一般的にすごい人です。
そして、推薦合格の”特典”ともいえる、進学学部学科が決まっています。
これはまさに、
あなたは卓越しているから、最初から専門科目だけやっていいですよ
ということで、一般の入学者が超えなければならない大きなハードルを二つも免除されます。すなわち
- 前期試験
- 進学選択
です。すごい優遇!
1.の前期試験免除は、前期試験を受けても合格する実力があるでしょうから、そんなに差はつかないはずです。
しかし、
2.の進学選択免除は、進学学部学科によってはかえってビハインドになってしまう。つまり、東大生は進学選択のために入学直後から東大生同士で競争させられますので、それをスキップしてしまうことで(勉強をサボると)、学部に進んでからついていけなくなる危険がある、という点で、
本人の自己管理能力を問われるのだそうです。
息子曰く理系は必修教養科目が多く、しかもどれもかなりの予習と復習が必要で、まんべんなくこなすのが大変なのだそう。
「さすがに、大学合格後1年半サボると学部に行ったときが辛いよ」ということなのだそう。
このお友だちは理系の方。多くの推薦合格された方が自分の夢に向かって突き進んでいく中で、辛かったかも…。
まぁでも、向いていないことをやるより、ぱっと進路変更することはご本人にとってもすごく重要なことですからね。これからもがんばって!
東大までの人・東大だけの人・東大からの人
「東大までの人・東大だけの人・東大からの人」
最後はこのフレーズについて。
なかなか強烈な表現ですよね…
もともとは、何年か前の雑誌の特集で使われた見出しです。その後いろんなところで使われるようになりました。
ワタクシこのフレーズが大嫌いでして…
嫌いなのにわざわざ取り上げる?
学歴ロンダリングと同様、この言葉を思いついた人は、中にいた人じゃないでしょ?おそらく。
中の人が使うならまだしも、外野がそういうこと言って揶揄するのやめましょうよ
確かに「東大」自体がブランドで、そのブランドを持つこと自体に誇りがもてることも事実でしょう。
でも、それを自分にとってプラスに使いこなすことの方がずっと大事ですし、
東大というところは、プラスに使いこなせない人を容赦なく振り落としてくるところです。
だから、結果的にそんな層に分かれてくるのかもしれませんけれど。
でも、仮に振り落とされそうになっても、振り落とされても、それも経験ですよね。特に若いときはそういう経験があってもやり直せる。
ワタシ的に、20代はいろいろなことに努力して悩んで、失敗して、見つけて、また努力して…を繰り返しやっていい年代だと思っています。
そうやって、自分がやりたいことを見つけ、その道を目指して日々努力することが目的なので。
それをやった人の方が、おそらくそれ以降の人生の厚みが違ってくると考えているので。
東大で思いっきりやりたいことをやる努力をする人がいていいし、東大が合わないなら他の道を探せばいいし、逆に、他の道から東大に来て努力したっていいじゃないですか。
東大に関わったなら、その全員が「東大から」だよ!
大人は、夢に向かって生きる若者を応援してあげましょうよ。
そして、
日々努力をしている若者の皆さんが夢を実現し、世界に通用する人物やこの国を支える人物になっていってほしいと切に願っています。
今回もお読みくださりありがとうございました。
娘の成長の様子は、時計どおりに綴っています。どうぞ いちひめ もご覧ください。
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