中学で学ぶ内容の違和感と採点基準 | feel my force

学びの違和感と採点基準

にたろう

息子が中学3年の授業で書いたメモに

 

授業でひとつのことを学ぶたびに、僕は「そこもうちょっと詳しく知りたい!」と思ってきた。2年生までは「細胞の中に核がある」だったのが、3年では「核の中に染色体がありその中にDNAがある」になった。でも、核の中にあるのは染色体だけじゃないでしょ?など、新たな疑問がわく。これまで一つ一つを理解してきたはずなのに、どこかで理解しきれていない違和感がある。

 

という内容のものが残っています。

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中学の教科書と高校の教科書

息子が上記のコメントを書いたのは中学3年生の遺伝の学びのくくりの中でした。

 

そこで、そのもととなる細胞のつくりについて、中学の教科書と高校の教科書の図を並べてみますと…

 

大日本図書 理科の世界 中学2年生 より

数研出版 生物基礎より

   

今見ても、覚える項目数が全然違いますね。

   

これがすべての単元で、全ての教科で起こるわけですから、当時中学生だった子どもたちが少なからず疑問に思うのは仕方のないこと。

 

それと同じくらい、

中学の先生は大変でしょうね…

授業では、もっと深い部分をちらちら見せながら、でも、深入りはしない、の連続なのでしょう。

 

そして、親である大人たちはこの差のことを知っているので、中学の教科書は中途半端だ、とか言いながら、

教科書がそうなら、とか、高校入試にはこれだけしか出ないんだから、とかとか、自分の返答も中途半端になってしまいます。

それぞれの立場で、皆さんが違和感を抱きながら前に進んでいたんだと思います。

 

そういえば彼は、高校では物理の単元で似たようなことを言ってたなぁ(こちら

採点基準

息子は、学びの内容だけでなく、試験の採点基準にも疑義を唱えることがありました。

採点基準については、もうちょっと奥が深いです。

先生・学校によっても違ってくることがあるので…

  

小学校では、有名な採点基準の話題として、かけ算の順序問題がありますね(こちら)。

 

一般的に小学校では「どっちでもいいね」で済んだことが、中学以降は入試に関わるのでどっちでもよいのまま放置できなくなっていき、より正確に対処するように心がけましたが…

うーん、解決できない、けど、先に進むしかなかったことも。。。

 

国語で

中学3年の秋、地元の県立高校の入試問題を意識した(県内だけで流通する)問題集の国語をやっていたときのことです。

指定字数内で答える問題の解答には、入っていないといけない「必須の語」がいくつか挙げられていて、

それが入っていないと減点です。 

  

ワタシがその採点基準どおりに採点したところ、

「ここの表現はこうも解釈できるんじゃないの?こっちの書き方でもいいんじゃないの?」

と言い始めました。

 

「必須の語」減点方式は、理科や社会でも採用されていて、例えば

「突沸」とか「共和制」

みたいに、確かにその語そのものが必須の問題なら、必要性もわかるんですが、

 

国語でも?ここまで厳密に?

ってワタシも思ってしまって…

でもですね、そうはいってもどこかに論理的な根拠が何かあるに違いないと思い、二人で一緒に考え、

同調してみたり対立してみたりすること約2時間。秋の夜長。

 

中学3年秋のこの大事な2時間を、これに使っていいのか、はすちゃん⁉←息子は割と時間の経過を考えず決着をつけたいタイプではあるけど。

 

結局それについては、結論を出せず、

ただ、そういう採点基準があるし、その基準で高校入試の採点が行われ、合否が決まる(かもしれない)ということを知っておこう

ということになりました。

  

理科で

学校の理科の試験ではこんなこともありました。

動いているバスの車内で、乗客が後ろの乗客にボールを投げる様子を、外から見たときの問題です。

 

問題の解説図はあくまでイメージ図だったのを、

息子は、図の乗客とボールとの距離を考慮して計算したら不正解になってしまったと。

そこで、一応先生のところへ行って確認したところ、

〇にはしてもらえませんでしたが、

「その考え方もありなので、通知表の成績では考慮するね」

と言われたそうです。

 

それをきいたワタシは、なんで〇にしてくれないのぉ、とか、(学内順位が…)などと、親にありがちな文句を言ってしまいましたが(しかも言う相手は先生ではなく息子に…←意味ない)

 

息子は、考え方が間違ってないことがわかったからいいよ

 

と言ってました。

あなたの方が、大人…ありがたいことに、通知表の考慮もしていただいていましたワタシってつくづく浅い…

 

高校入試での採点基準は…

我が子たちの受ける県立高校の試験は、全県同じ問題です。

  

同じ問題ではありますが、

 

採点基準は各高校で違う。

我が子たちが受験予定の高校は採点基準がきつい。

  

などと、まことしやかに噂されていました。

あくまで噂ではありますが。

 

といいましても、、例えば

 

正解でも、漢字で書くべきところをひらがなで書いてあったら減点

とか

式が必要十分でなければ減点(つまり、多すぎても少なすぎてもダメ)

   

など、ごく当たり前に求められる内容です。

 

今後も必要なことなので、

きっちり守ろう、それも含めて勉強しよう 

ということになったわけですが、

 

ワタシが知らないだけで、他にもきっとたくさんあるのでしょうね。

そしてそれは、普段から中学の先生が口を酸っぱくして注意してくださっていることだったりするのかも。

 

調べたところ、高校入試に関する情報公開については各都道府県で対応がまちまちで、

採点基準についても、広く公開はしていないものの中学校までは資料が送ってあるところもあるのだそうです。

     

気になる方はぜひ中学の先生に尋ねてみてくださいね。

 

大学入試の場合

大学では、2019年より東京大学や京都大学で解答例と出題意図を公表するようになりました。

解答はあくまでも例ですし、

個人の採点内容も非公表ですので、

ましてや採点基準なんてわかるわけもないレベルであるのが現状です。

(どうぞ こちら もご覧ください)

 

これもまた、高校の先生や、受験のプロに情報を教えてもらうしかないのかな。

    

ワタシが自力で入試情報に関して太刀打ちできたのは、高校入試まででした。

 

中学生なりに納得した様子

さて、冒頭の息子のメモは、以下のようにまとめて終わっていました。

    

「この違和感は、”中学校の段階で学ぶこと”と”自分で考えて納得していくこと”の境界線が自分の中で曖昧だからなのだろう。覚えた知識と考えた知恵をどう分けて使っていくかをしっかり考えた上で一段落をつけ、このくくりの学びを終えようと思う」

  

さらにこのメモには、グループ交流でのお友だちの意見も書き込まれていまして、そこには

  

「私も同感。授業で習ったことはほんの一部であることを認識することも大切。医師でもそれぞれ専門分野があるくらいだから、私たちが全てを把握することは難しいけれど、その意識を持つだけで視野は拡がると思う」

とありました。

 

中学生ってまだまだ子どものはずだけど、、、君たち、大人か⁉

    

何を指導するのかを決めたのは大人だけど、なぜそう決めたのかは大人も説明できない。

ワタシが中学生高校生のときもそうだったよ、じゃあ、納得しないよね。。。

   

そろそろ「大人は何でも知っている」を

卒業しなければいけない時期が、ワタシの中で迫っていました。

  

(子どもたちの意見は一部編集しました)

  

娘の成長の記録は時計どおりに綴っています。 どうぞ いちひめ もご覧ください。

 

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