子どもたちが高3生だった時の6月、高校の講演会で、駿台お茶の水校の方のお話を伺いました。今回はその続きです。
今の子は、私たちの時よりずっと親を頼っている
前回の内容は、既に学校から本人には十分言われていることで、親は知っておくだけでいいのですが、ポイントはここから。保護者の皆さんへ、と題した、受験生のココロの中。
こういうの、息子も駿台でアンケートに答えたと言ってました。ワタシ自身も失笑失笑失笑…の連続。
保護者の皆さんへ
- 受験生の意識の変化
- 受験生から保護者への要望
- 保護者に言われたい言葉
- 保護者の受験生への接し方
- 極力言わないようにしたい言葉
- 一番言ってあげて欲しい言葉
受験生の意識の変化
受験生の意識は、25年~30年前と比べると、ずっと親を頼りにしているのだそうです。次の質問に対する回答の変化をご覧ください。
Question 〔 合格/不合格は保護者の協力と関係があると思いますか 〕
1990年代 | 2010年代 | ||
合格/不合格は親との協力と関係がある | 33.1% | 49.7% | |
合格/不合格は親との協力と関係はない | 37.6% | 18.9% |
親の皆さん、頼られてますねぇ。
Question 〔 保護者と意見が不一致の場合、どうしますか 〕
1990年代 | 2010年代 | |
自分の希望を通す | 67.5% | 49.4% |
話し合って妥協点を見つける | 27.8% | 43.3% |
優しいお子さんが多いですねぇ。
これは、今の高校生は敷かれたレールの上を歩けばよいと感じている、つまり、そもそもの幸福度が高いことを物語っているとも思いますし、
子育てが親主体になりがちであるともいえますし、
親が少し前を歩いて子どもに行かせたい道をあらかじめ照らしてしまっているともいえますし…
もちろん、行き過ぎはダメだけど、親が介入することでうまくいくこともあるしなぁ…そもそも本人が自分の希望だと思っていても、実は親がそう擦り込んで、そう仕向けていただけかもしれませんよ。
いずれにしても、親の意向は絶大なので、親としていい加減なことは言えません。
そんな個人的つぶやきはほどほどにして、やはり、すでに
自分の歩きたい道を高校時代に見つけられている人は強い
ですよね。
実は、これは東大の進学選択(いわゆる進振り)でも言えることで、行きたい学部・学科が決まっている人ほど強いものはないです。
さて、現在東大教養学部2年生の息子の進振り事情は…そのお話は改めて。
(進学選択事情や息子の進路は、 こちら とか こちら とか こちら でご覧ください)
受験生から保護者への要望
- 金銭面での協力をお願いします
- 家の中で静かにしてほしい
- 時々励ましてほしい
- 普段通りがいい
- 精神面でサポートをお願いします
- 自分の志望を尊重して欲しい
親子関係、垣間見えますね
保護者に言われたい言葉
- 大丈夫だよ、これだけ勉強したんだから
- 勉強以外のことは心配しなくていいからね
- 受けたいところを受けなくてはだめだよ/受けなくてどうするの
- 勉強することの意味
- 大学進学後、就職後の壮大なる夢を語り合おう
勉強することの意味、とか、定番ですよね~、哲学ですよね~。皆さんならどう答えますか?
保護者の受験生への接し方
▽親として大学受験生との付き合いに迷ったら…
- 軋轢はあって当たり前
- とりあえず一年後のゴールのことだけ考える
- 親はとにかく「待つ」。
- 見えないところで頑張っている子どもを、「認める」、「励ます」、「応援する」
母親は、時には女優になれ、とかいう笑えない言葉がありますが、子どもはやはりお母さんのことが好きですから、ニコニコしている方が親子関係にはよさそうです。
(なかなかできない)
極力言わないようにしたい言葉
- この子は××ができなくて
- ぼーっとしていて何考えてんだか
- とにかく集中力がないんです
- 我が家は子どもの自由に任せています
- この子はやればできるんです
- その大学はこの子には無理です
- お兄ちゃん(兄弟姉妹)と違って
ここは講演会で一番盛り上がったところ。生徒さんには大ウケだし、保護者(ほとんどがお母さん)はため息交じりの、途中から開き直った笑いの渦…
親にはうるさく言われたくないけれど、適度に自分の成績に関心を持ってもらいたい、今から頑張ればいいよって言ってもらいたい、腫れ物に触るような接し方ではなく、コミュニケーションもうまくとりたい、のが子どもの本音。
やっぱ、かわいいですね、子どもって
一番言ってあげて欲しい言葉
- あなたの第一志望を受けなさい
- 第一志望を受けないと絶対後悔するよ
- 第一志望への出願に向けて応援しているよ
なんだか最後は、駿台のキャッチコピー「第一志望はゆずれない」みたいになっていますが、実際本人がそのくらいの気合いになってくれたら、応援する親としては勝利目前ですよねー。
現役合格に向けて
駿台生にきいた、現役合格できた理由
- 最後まで諦めなかった
- 得意科目で得点した
- 受験準備開始が早かった
- 計画的学習が実行できた
- 不得意科目がなかった
- 「運」
- 規則正しい受験生生活を送った
駿台生にきいた、現役合格できなかった理由
- 受験準備開始が遅かった
- 受験を甘く考えていた
- 高1・2年で遊びすぎた
- 基礎不足
- 計画倒れ
- 不得意科目が足を引っ張った
- いろいろな参考書に手を出しすぎた
- 学習方法がわからなかった
基本的な学習時間の確保
▽「朝から夕食時」「夕食後」で分ける
- 授業日:朝~夕に1時間、夕~1時間
- 休日:朝~夕に3時間、夕~1時間 など
伸びない学習例
- 用語、記号の使い方に無頓着
- 予習なしの復習中心
- 解答の丸暗記
- 自分の解法に固執する
- 難問学習にやみくもにこだわる
- 最後まで答えを出す努力をしないで、解答をすぐ見る
- 最終結果が合っているだけで、できたつもり
- 授業をきいていない(基礎・基本が曖昧)
合格した受験生が大事にしたこと
- 「マクロ」に問題文を読むようにし、作問者が何を求めているのかをよく考えたた
- 解答だけでなく、途中式も丁寧に記述
- 根本的・本質的・体系的な理解を心がけて勉強した
- 教科書を何度も読み返し、自分のなかの「なぜ?」を徹底的につぶした
- 採点者にわかりやすい解答を心がけた
この辺までくると本人も保護者もお腹いっぱいですね。。。。
要するに、成功への王道はないけれど、失敗の理由は数限りなくある、ということなのでしょうね…
大切なのは普段から本質の理解に心がけることと、採点者にわかりやすい解答を書くというアウトプット力。
これはまさに、受験という分野の、質の高いプレゼンですね。
本人もそこまでの意識はないでしょうが、これらをきっちりやると、次の世界でもきっちり生きていく良いトレーニングになるだろうな…
そんな悠長なことを言えるのは、大学受験が終わったからですけどね。
当時のワタシは、余裕なんて1ミリもなかったし、自分のことでもないのにストレス貯めてたし、常にこれでいいのか不安だったし、、、でも、そういう思いをしないと次のステージに行けないこともわかっていました。
渦中の保護者の皆さま、受験生の皆さま、今そんな厳しい道を歩いているなら、そこを避けて通る人生より、苦しみながらも、ど真ん中を行ってみる人生を歩いてみてください。
とにかく歩いてみて、岐路に来たら、そこで考えたらいい。
目標がある人は幸せなのでね。
今日もお読みくださり、ありがとうございました。
娘の成長の記録は、時計どおりに綴っています。どうぞ いちひめ もご覧ください。
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