いちひめブログでの娘は、まだ小学校低学年ですが、
このたび、
娘の初期研修先が決まりました!
今回は、現在に時計を進めまして、その話題を。
医師の初期研修と後期研修
日本国内で医師になるためには、指定大学の医学部医学科で単位を取り、
医師国家試験に合格しなければいけません。
でも、まだこれで一人前の医師になったわけではなく、、、
大学を卒業し、医師国家試験に合格した人たちは、次に、
二年間の医師臨床研修(初期研修)を受けます。
初期研修では全ての科を回るので、医学生の実習と同じように、決められたカリキュラムに沿って各科を回るのですが、やらせてもらえることが違います。
こちらの記事では、この2年間の医師臨床研修を「初期研修」、医師臨床研修中の医師を「初期研修医」という表現で統一させていただきます
「初期研修医」は「臨床研修医」と呼ばれたりもします。
娘曰く、医学生の外科的実習では、例えば、採血や血管確保(ルートをとる)、とか、ギプスカッターでギプスを外す、手術の縫合の最後の最後だけやらせてもらう、のようなことを指導医の先生のもとでやらせていただいたとのことです。
※ギプスカッターって丸のこみたいな形をしているんですけど、回転しているのではなく振動しているので、皮膚が傷つくことは絶対にないようにできているそうです
それが、
初期研修医になると、すごく腕がいいと、2年目後半にはごく簡単な外科手術の第1助手にさせてもらうとか、病院によっては執刀医をさせてもらうとか、など、やらせてもらうことの幅がぐんと拡がります。
参考資料 https://resident.mynavi.jp/conts/sp/tsukurikata/index16.html、http://journal.jsgs.or.jp/pdf/042060632.pdf、http://ngt.saiseikai.or.jp/section/orthopaedics/student/
ということで、この2年間が終わった後は、後期研修(専門医になるための研修)が続くとはいえ、
医師として、基本的な実技ができるようになる、ということのようです。
娘によると、医学部に進学してから今までの6年弱、よく質問されたのが
何科の先生になりたいの?
だったそうですが、
何科に行くのかを実際に決めるのは、後期研修のプログラムを選ぶ時でして、
うっすらと心の中で決めていたとしても、今はまだ決断をする必要はありません。
さて、初期研修を受けられる病院は限られています。
初期研修医を受け入れられる病院は、全ての科での研修・規定の症例の実習・指導医の先生がいらっしゃる(全ての科が揃っていない場合は関連病院で研修を受けられる)…など多くの条件を満たさないといけません。
従って、大学病院の他に、地域の大きな病院が指定病院になっていることが多いようです。
お近くの病院が、初期研修医受け入れの指定病院かどうか調べると、どの程度の規模の病院であるかの判断基準の一つになりそうですね。
もし、ワタシ自身が大きな病院にかかることになり、個人的にこの先生に診てもらいたいなどの希望がなければ、初期研修医さんのウデはともかく(どっちにしろ初期研修医さんが判断するわけではないので)、指導医の先生がきちんと揃っている、初期研修指定病院の方がいいかな、なんて個人的には思っちゃいます。
ということで、初期研修期間は、このような病院で各科の研修を行い、指導医の先生に評価を受け、その全てに合格点をもらうことで、修了となります。
ちなみに、この2年間の初期研修が修了したら、
次は、3年以上の、より専門的な医療を学ぶ後期研修というのがあるのですが、
ここまで来ると、
もう、研修医と呼ぶのは不自然なくらい現場で動けるようになり、その科の医師として十分信頼して良いのに、「研修医」という呼び名だと患者さんの不安を誘うという意味合いから、
2018年からは正式に、後期研修中の医師のことを、「後期研修医」とは呼ばず、
「専攻医」・「フェロー」
と呼ぶようになったそうです。
コードブルーの藍沢(山下智久さん)や白石(新垣結衣さん)は1st・2nd SEASONでは「フェロー」と呼ばれ、3rd SEASONでは「指導医」
と呼ばれていましたので、
彼らは2年間の初期研修を終えて、あのドラマの舞台に立ったわけですね。
実年齢だと最短でも26~27歳の役を、山下さんは23歳で、新垣さんは20歳で演じていたことになりますね
この後期研修プログラムを終え、それぞれの科の規定の条件を満たして初めて**学会認定専門医という資格をもらうという流れになります。
初期研修先はマッチングで決まる
さて、こちらでも書きましたが、医師の初期研修先を決めるのは、医師臨床研修マッチング協議会というところです。
すべての医学生は、この、医師臨床研修マッチング協議会というところに、行きたい病院の候補を志望順に記載し、申し込みをします。
志望状況の中間発表などを経て、
10月にマッチング結果が発表されます。
一般的には約9割の医学生さんが、このマッチングで来春からの研修病院が決まるそうです。
で、
おかげさまで、娘は、
このマッチングで、第一志望の病院での初期研修が決まりました!
よかったねー!
マッチング協議会に出す志望病院欄は、たくさん書き込めるようになっていて、
多くの病院を受験し、志望病院をたくさん書けば、そのなかのどこかに決まるようになっているのですが、
ここで口を酸っぱくして注意されるのが、
決まったら絶対辞退しないで下さい
という、当たり前だけど、辞退する人がゼロではないということを推測させるような文言。
ですから、志望する以上は、志望順位がいくら下の方の病院でも、決まったら行かなければなりません。
なんか、東大の進学選択(進振り)にすごく良く似ている…
娘も、「どこに決まっても、喜んで行ける病院ばかりを、複数書いたよ。」
とは言っていましたが…
このたび、第一志望の病院に決まったということで、
とてもうれしかったようです。
おめでとう!
ちなみに、今回のマッチングでアンマッチになった人も、少しはいらっしゃるそう。
それはつまり、この病院以外には行きたくないから、という理由で志望病院を一つしか書かなかった
みたいな人だったりするらしいのですが、
現在、いわゆる二次募集的なのをやっていまして、、、
皆さん、行きたいところに決まりますように!
マッチング理論
話がちょっとずれますが、このマッチングに使われるマッチング理論というのは、まだまだ進化の途中なのだそうです。
2020年、東京大学経済学部に、マーケットデザインセンターという研究所ができました。
こちらの所長になった小島武仁先生は、まさに、このマッチング理論の研究者で、この先生によると、
現在、日本で実装されている ”まともな” マッチングは、まだ、この医師臨床研修システムだけなのだそう。
ただ、条件がまだまだ弱く、今後は、医師過剰の地域、医師不足の地域などの条件を追加することで、より、社会の実態に合ったマッチングシステムを作っていきたいのだそう。
同様に、充実させていきたいのが、保育所に入所するためのマッチングシステムなのだそうです。
”だそう” が続いてしまいました。ごめんなさい。
確かに、保育所の入所に、適正なマッチングによる判断が行われたら、いいでしょうね~。
我が子が医師である未来
娘に、医学部をめざしたら?と勧めたのは、ワタシです。
患者さんには男性も女性もいるのだから、信頼できる女性の医師が世の中にもっといたらいいなと思いましたし、
娘はどちらかというと、
正義感が強く、広く浅く、めちゃめちゃ仕事きっちりのタイプなので(←バカ親なりに、冷静なつもり)
深く何かを研究するより、ある程度実践的に学びながらスキルを身につけ、一生続けられる仕事に向いているだろうな、
と思ったからです。
で、ちょっとくらいは、
将来ワタシが病気になったら、名医さんを紹介してもらえるかも…
って、思わなくもなかったのですが…
医師になられた、(娘より5歳上の)お嬢様のいらっしゃるお友達ママによると、
ある時、お嬢様に衝撃的なことを言われたそう。
それは、
ママ、お願いだから、自分の健康は自分で守って!当たり前だけど、もちろん気軽に救急車をよんだりしないで!医師の家庭なんだから、そのくらいわかるよねっ
注:そのお宅はご主人も医師です
ショックだったわ~、とおっしゃってました。
だよね、心の準備なく、そう言われたら、ショックだよね…
娘もそんなことを言うようになるのかな…
ん?
いやむしろ、ワタシがそのお嬢さんの立場だったら、そのくらいは自分の親に言ってしまいそう…
っていうか、医師の家族って、そもそもそういう気持ちを多めに持っておかなければいけないのかもしれません。
親は、死ぬまで親であれ。医師の親は医師の親らしくあれ。
ってことですかね。勧めた張本人だし。
まぁ、そんな未来語りはおいておいて、
娘は、おかげさまで、大学の卒業試験も全て合格しました。
次の目標は、来年2月の医師国家試験に通ること。
次々に目標があって、大変ね
もう、応援することくらいしかできないけれど、、、
引き続きサポートするよ!がんばって!
息子の成長の様子は、時計の逆回転で綴っています。 どうぞ にたろう もご覧ください。
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