国立大学附属の学校といえば、小学校でも中学校でも、必ず年に一回あるのが、
教育研究発表会
です。
地域の先生はじめ、全国から先生が来られ、
その学校の教育テーマのもとに行われている授業の発表会。
先生方にとっては、附属学校で教鞭をとることの一番の目標であり、発表の場です。
4*年前も…
ワタクシ自身も、国立大学の附属小中学校の出身でして、
はい、当時も、教育研究発表会がありました。
基本的には担任の先生が、ご自身の専門教科でクラスの授業をされます。
1か月前くらいから先生の雰囲気がピリッとし始め、
授業で使う新しい”小物”が登場し、
机の配置が変わり(グループで島になったり、クラス全体がコの字になったり…)、
独創的な意見を”考えさせられる”機会がどんどん増えていき、
発表会当日は、(親ではない)多くの大人がやってきて、授業を参観していかれます。
子ども心に、ちょっと思いましたよ、
今日は、勉強の良くできる子ばかりが指名されて発言しているな
って。
あ、ごめんなさい、これは、4*年前のワタクシの感想でして、我が子たちは、そんなこと言ってません。
親からみた教育研究発表会
我が子たちがお世話になった小中学校でも、同じように教育研究発表会がありました。
この日は、一時間しか授業がないので、子どもたちにとってはパラダイス。
お隣の附属中学でも同時期に開催され、先生方は中学の研究発表会にも出席されますので、二日連続の早帰り日。
そして、保護者は、お手伝い。
お手伝いといいましても、PTA役員をやっている人が、当日の受付や誘導などを分担して駆り出されるだけなので、お仕事的にはあっという間に終わります。
が、
朝が早くてですね、、、
早い人は7時半集合でした。
ワタクシも、PTA役員をさせていただいた時にお手伝いがありまして、、、(こちら)
そこでお話をいただいた副校長先生のお言葉が印象的でした。
保護者へのねぎらいの言葉の次におっしゃったのが、主役の先生方の様子。
先生方は、授業の指導案を毎時間作って臨まれるのですが、入念な準備の下、最終的な指導案を完成させるのは
当日の朝
なのだそう。
「我が校のモットーとして、指導案は当日の朝に書くことになっています。今日も、先生方は朝早く来られて、昨日までの進捗をもとに、今日の授業の指導案を先ほど書き上げました」とのこと。
知らなかった…
大まかにはできていたとしても、詳細な指導案を当日の朝書き上げるなんて、
めっちゃ大変じゃないですか!
なるほどね~、それを連日させられる するから、附属学校に勤務すると忙しくなるのか…
実は我が家、学校の近くに住んでおりまして(→こちらをご覧ください)、生活圏の中に小中学校があるので、
夜も、割と遅くまで明かりがついていることを知っておりました。
研究発表会の直前になると、23時を過ぎても校舎に明かりがついています。
夕方学校近くのスーパーで、副校長先生が(先生の皆さんの?)お弁当をたくさん買っていらしたところを見かけたこともありますし、
夜中に帰宅されて、また数時間後に学校へ行く、とおっしゃる先生もいらっしゃいました。
って書くのは数行で終わりますが、これを継続して実践するのは相当大変なこと。
それを知ってから、逆回しのようにわかったことがありまして、
大きな研究テーマは約5年継続、そのテーマに沿った小テーマのもと、先生方は一年中研修・個別研究・グループ活動をなさっていました。
小学校でも中学校でも、毎週、決まった曜日は時間割が短く、部活動も制限されている日がありまして、
その日は、地域の学校の先生も交えた研究グループでの話し合いなどが行われていたようです。
大テーマは抽象的なネーミングが多いのですが、基本的には、
グループで考える、考えを出し合い、お互いに成長していく
というような指針で、それを遂行させるためのいろいろな取り組みのアイディアをそれぞれの先生が考えて実践する
というものだったと思います。
(注:令和に入ってからの各国立附属小学校のテーマは、未来志向の新しい授業に関するテーマが多いようです)
大テーマの5年の終わりには、試みを具体的にまとめた書籍が出版されまして、
我が家も購入しました。
こちらの書籍では、それぞれの取り組みに対する子どもの変化について、詳細に言及されていました。
が、
A男は、B子は…みたいな記述もありますが、誰のことかはわかりませんし、
先生の視点は、個々に目を配りつつ全体を見ているのが伝わってくる内容でした。
ここまでまとめるのも、かなりの労力…
この書籍に関しては、
- うちの子のことじゃないなぁ
とか
- 先生方の子どもたちに対する思いと保護者の思いはそれなりに違うんだなぁ
みたいな感想を持ってしまいましたが、、、
(ぶっちゃけ、お値段高めですし、教師向けのコンテンツすぎて、保護者が読んでもそんなに面白くないです…)
我が子が通う学校の指針がわかったのはよかったと思います。
書籍に関しては、上記のような感想を持ったのは事実なんですが、
附属学校に通わせて、本当に良かった!と思えるのが、
小学校中学校を通じてテーマが変わっても、一貫して、
いわゆる、
アクティブラーニング
をさせてもらったことです。
アクティブラーニングといえば、あの、明治大学教授の斉藤孝先生が、著書「新しい学力」で、明大の授業で実践して成果がでたことを本にまとめられたり、
日比谷高校で積極的に取り入れ始めたことが話題になったりと、
今やトレンドになりつつある教育方法ですが、
附属小中学校では、まさにその実践を、”研究”とか”実験”という名の下でやっていただき、子どもたちを育ててもらいました。
おかげさまで、この取り組みが、我が子たちが大学生になって、ものすごく役に立っています。
アクティブラーニングは、家でも塾でもできない、
学校でしかできない取り組みなので、
大変有難いことでした。
アクティブラーニングにつきましては、こちらでも書かせていただいています。ぜひご覧ください。
今回もお読みくださり、どうもありがとうございました。
息子の成長の記録は、時計の逆回転で綴っています。どうぞ にたろう もご覧ください。
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