あなたは、腕を組んだ時、どちらの腕が上にきますか?
左手が上に来る人は右利き・右手が上に来る人は左利きなのだそうです。
では、手を組んだ時はどうですか?
こちらは、右の親指が手前に来る人は右利き・左の親指が手前に来る人は左利きなのだそうです。
世阿弥が記した能の理論書、風姿花伝 その一 七歳 によると、
- 能の芸事は七歳から始めること
- 七歳の子のそのまま、心の赴くままに演じさせなさい
- 教えてはいけない
- 良い悪いも、強く諫めることもしてはならない
- 能の動きや舞以外のことはやらせない
- 晴れの大舞台の小さな役を用意するのではなく、その子に見合った演目を演じさせなさい
とあります。彼の父親である観阿弥の言葉をまとめたものと言われています。
よく、これを引き合いに出して、何も教えない方が良い、と方向づける教育論を見かけますが、
そうは言っても、すべての子のお父さんが観阿弥さんじゃないしなぁ…
能だけやるわけにもいかないし、
一説によると、楠木正成の血筋ともいわれる家で、そもそも七歳まで、ちゃんと育った結果の次のステージですよね…
幼かった世阿弥さんもそれなりの教育を受けたはずです。
そこを全部すっとばして、「何も教えない」っていうのは…
左利き
前置きが長くなりましたが、娘は左利きです。
スプーンを持つ手があきらかに左手でしたので、かなり早くにわかっていました。
で、どうしたか、というと、
部分的に右に矯正しました。
お箸、はさみ、鉛筆(+筆) です。
矯正といっても、歯の矯正のように生えそろったものをワイヤーで治すようなわけではなく、
最初から右手で持たせるようにしただけですけどね。
バドミントンのラケットは左持ち、駅の改札も左手でタッチ。
外科の講習で絶対できるようにならないといけない 片手結び も左の方が上手だとのことなので、左利きは健在です。
ただ、もともと、右の要素もあって、
自転車は左から乗ります(左から乗る人は、左に軸足があるからで、利き足は右)。
これは、お母さんのお腹の中にいた時に、赤ちゃんがお母さんの背中側に左耳を置いた形で大きくなるからという説がありますが、
一般的に、利き手利き足は遺伝の要素もあり、10人に1人の割合で左利きがいるそうです。
矯正しても、脳の優位は変わらない
人間の脳を左右に分けると、言語だけでなく、 思考、性格、理性…をメインにつかさどる方の脳とそうでない脳に分かれるのだそうです。
前者を優位半球、後者は劣位半球と呼び、一般的に右利きの人は、左半球が優位半球になります。
どのくらい優位かというと…
「優位半球」が傷つくと言語障害などが起こるのに対し、「劣位半球」が傷ついても目立った症状がでないことさえあるそうです。
さて、これは生まれた時に決まっていて、変えることはできません。
ですから、娘の場合、優位半球は右のままで、一部の動作を右手に任せただけ、と考えるのが妥当で、
右脳に言語機能があるのに、右手で字を書いたら 脳のバランスがおかしくなる!などと心配する必要もなさそうです。
最近の研究によると、左利きの人は優位半球・劣位半球のどちらにも言語機能をもっていることが多いので、損傷が起きても回復が早い、
とか、
そもそも、女性は両方に言語機能を持っている人が多い
など、まだまだ議論の余地があるみたいです。
近年、CTやMRIを使った調査によると、
〔利き手と大脳優位性(側性化)の関係〕
右利きでは左半球が95〜96%,右半球が4〜5%と圧倒的に左半球が主で,
左利きでは左半球が61〜70%,右半球が15〜19%,両半球が15〜20%と多彩であった
これはおそらく、右利き生まれは、右利きを貫いて生活していくことができるけれど、左利き生まれは、左利きに固執できないから成長段階で両方の脳を使うようになった、という結果なんでしょうけど、
これが、言語をはじめ、思考・理性…おそらく運動機能も…において左右両方の脳を刺激して成長させているならば、
そっちの方がいいじゃん
っていう気になりませんか?
いくら生まれ持ったもので変えられない部分があるとしても、
そのための シナプス結合作戦 なわけだし!(少々開き直り気味)
どう生かすかは本人次第
実は、ワタシ自身が、生まれは左利き・育ちは右利きです。
右手で鉛筆を持たされた、という記憶がうっすらとあるので、
娘の年齢より後で矯正されたのだと思うのですが、
いろいろ矯正されちゃった?のか、見た目の左利きの痕跡といえば、
ぞうきんを絞る向きと、自転車を右から乗ることくらいですね。
特に、メリットもデメリットもないなぁ。。。
ということで、ワタクシよりはるかに左利きの痕跡を多く残している娘はどうかなと思い、
先日娘に確認したところ、
とても便利♡
と言っていました。
これは研修医になってからですが、外科手術で「上手に左手でペアンを外すね」って言ってもらった!と喜んでいました(2021.5.27追記)。
出来る内容は違うけれど、両手が利き手みたいに使えると。
マウスとペンタブを同時に使える!なんて人も世の中にはいます。
右利きの人は理性優位、左利きの人は感性優位だとかいいますが、
うーーーーん、どうかなぁ。。。
感性優位といえばそうだけど、理性的な面もあるし…
因みに、息子は生粋の右利きで、超がつくほど理性的です。
どちらも、それぞれの持ち味 ということにして、結びは玉虫色に。
今回もお読みくださり、ありがとうございました。
息子の成長の記録は、時計の逆回転で綴っています。どうぞ にたろう もご覧ください。
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