二人の子を国立大医学部医学科と東京大学に合格させるまで | feel my force

医学部に行くということ

いちひめ

このブログでは娘はまだ1歳半ですが、リアルの娘は現在医学部医学科の5年生です。

医学部医学科を目指すというのは、「頭がいい」とか「将来高収入かも?」みたいなイメージがありますが、実際、医師になるとはどういうことなのでしょう?

そばで見ていて、「頭の良さ」は最低限持ち合わせていなければいけないことであって、さらに要求されるものが多くあると感じました。

                     

大学によって詳細は違いますが、医学部6年間のだいたいの流れは

 

1年生~4年生の途中まで:実験、解剖、座学

って、さらっと書いちゃいましたが、1年の教養科目に少しだけ選択必修があって、それ以外は全て必修科目です。

東大教養学部の息子は、1限なし、作ろうと思えば一日休みの日あり、のような時間割を組むことができましたが、医学部医学科にそんな空きコマは作れません。

特に3年生~4年生にかけての各科の勉強になると、フルコマな上に、2週間に一度試験が行われ、一つでも落としたら留年です。

とにかく、詰め詰め。

    

さらに、ここまでの単位を一つも落とさなかった人が進めるのが、

CBT・OSCE受験です。

ざっくり、CBTは学科試験、OSCEは実技試験です。合格するとスチューデントドクターの資格を得ます

4年生後半~6年生前半:ポリクリ。病院実習です。すべての科を回ります。主に自分の大学の附属病院で行われますが、関連病院での実習もあります。

 

東大医学部でも、私立の医学部でも、やることは同じです。

 

ここで、医学科5年生の日常を垣間見てみましょう。

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学生とはいえ「先生」とよばれる

いちひめのある一日
  • 5:00

    起床

  • 6:00
    病院集合

    患者さんの身体所見チェック

  • 8:00

    カンファレンス

    教授回診

    外来見学

    手術見学

    レポート作成など

  • 18:00

    カンファレンス・検討会など

  • 帰宅

いちひめの別のある一日
  • 7:30

    起床

  • 8:30
    病院集合

     

    カンファレンス

    処置見学

  • 13:00

       

    手術見学

  • 16:00

        

    帰宅

 

学生の身分ですので、患者さんにも都度この人は学生だが同席してもいいかどうかの説明はなされますが、スチューデントドクターということで、病院内では、〇〇先生、とよばれます。これは敬意を払う意味と同時に、患者さんに余計な不安を持たれないようにという意味もあるそうです。

本人はその時点で、背筋が伸びます。

各科のチームに入った学生は、「学生に割り当てられた仕事」をやります。

といっても、できることは限られているので、一番のお仕事が入院患者さんの身体所見をとらせてもらうことになる科が多いようです。

バイタルや状況などを見る中で、患者さんご本人とも話しますし、ご家族や、お子さんの場合はご両親とも話し、あらゆる可能性を観察し、カンファレンスで発表をします(もちろん、担当医の先生・看護師さんも所見をとっています)。

カンファレンスでは、 患者さんの検査の結果も合わせ、科内の教授の先生以下すべてのメンバーで検討会を行います。

 

さまざまな症例の方がいらっしゃる中、とにかくチームは治すための治療を全力で施します。

 

ワタシは、10年ほど前に手術&入院経験があるのですが、病院の中はものすごく分業化されていると感じました。

分業システムの中に、実は患者である自分も入っていて、自分の病気は自分で治す体力と気力を持つという役割があるとも。

患者さんの一番近くにいて細かいお世話をしてくれるのは看護師さんで、大変お世話になりましたが、医師の皆さんが、チームで常に患者さんの動向をチェックし、最善の治療方法を探し、検討を行っているということは、入院患者の立場では知ることのできなかった側面でした。

治療方法の選択には、患者さんの意向も色濃く反映されます。患者さんの意向とQOLも考慮しなければいけません。

患者さんの治療と並行して、新規の論文に掲載された治療方法の検討会もあります。

 

まだ、病院実習が始まって半年ですが、どの科でも、医師同士真剣に意見をぶつけ合っていて、つまり、職名としての上下はあるけれど、患者さんを治すのに、トップダウン方式は存在しないように感じた、と言っていました。

まぁ、当たり前か。

 

もう一つ、テレビ番組で有名なセリフ、「ワタシ失敗しませんから」について。

あれは、外科医にとっては当たり前なのだそうです。

と、提携の総合病院へ実習に行ったときに言われたとか。

それもまぁ、当たり前か。

 

さらにこれは知りたがりのワタシにとって朗報なんですが、日本国内の医療的治療は基本的に

各科のガイドラインに沿って行われている。

しかもそのガイドラインは普通にネットで見ることができる

のだそうです。つまり、治療内容は誰でもわかり、闇に包まれているわけではないということですね。

自分の病気がどんな病気なのか、内科的治療、手術の可能性、治療内容などが説明されていて、それが治療の教科書になるから、日本全国どこでも同じ医療を受けることができる仕組みになっているんですって!

知らなかった。

 

皆さまもぜひ、(病気になってから見るのではなく)早速見てみてください。 → 〇〇科 ガイドライン、Mindsガイドラインライブラリ など

 

科によって違うとはいえ、学生でも、かなり忙しそう。

 

忙しいだけでなく、やはり相手は人ですから、人と接することが好きな人でないと務まりません。

ワタシの入院時、主治医の先生より横柄な態度で、看護師さんに指示をしていた若い男の先生がいました。その先生は、手術後の真夜中の巡回でワタシの状態をみて、かなり慌てた様子で、

「あーこれは、再手術か」

と言われました。患者(ワタシ)の不安も煽られるし、何よりも看護師さんに対して「××早くしろよっ」と真上からの口調で言っている様子をベッドから観察して、いい気はしないですよね。

え?ワタシの経過って、そんなに悪いの?

結局すぐ後に主治医の先生が来られ、丁寧に検査をされ、再手術は不要の診断。事なきを得たのですけどね。

真夜中だったし、こんな時間にすみません、ってつい言っちゃいました。

                    

医師は、人としての高い人間性・倫理観・責任感も問われますし、チームで仕事をしますから、コミュニケーション力も必要です。

 

そもそも娘が医学部を選んだのは、理系の中でも、机の前に座ってじっと考えて答えを出すより、たくさん動いて、人のために役に立ちたいという気持ちがあったからでした。

親のワタシとしては、女の子なので結婚出産で現場を離れざるを得ない時があっても、復帰しやすい仕事であろう、というもくろみもありました。

しかしながら、ウチは医療関係でもないし、娘本人も、血を見て大丈夫なのかさえよくわからないままの医学部入学。

心配もたくさんしましたが、実際は、覚えることの多さに戸惑っているものの、医療現場での仕事は娘に合っているようです。

 

人として、医学生として、謙虚に、真摯な態度で患者さんに接してもらいたいと願っています。

  

医師を一人育てるのに、約3000万円かかるそうです。これは私立の医学部の一般的な6年間の学費です。

一方、国立大学の学費は、他の学科と同じ、年間約53万6000円。つまり、6年間で約320万円です。私立の約10分の1です。残りは税金。

   

国立大学に行くということ、特に医学部に行くということは、それだけの税金を投入するに値する人物にならないといけない。留年するということは、それだけ多くの税金が投入されるということですから、絶対避けないといけないよ。

 

これは、娘が医学生になった時に、ワタシが一番最初に言った言葉でした。

 

実習真っ最中の今、とても充実した毎日なのだそうです。お休みの日はよく寝ています。

医学部5年生、医師のひよこにもなっていませんが、ワタシもできるサポートをしていきたいと思っています。

画像は3Mホームページより

 

息子の成長の記録は、時計の逆回転で綴っています。どうぞ にたろう もご覧ください。

 

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